緊急事態宣言を5/31まで延長することになりましたね。皆そうなるだろうと思っていたとは思いますが、いざ更に約1ヶ月延長という発表を聞くと落胆された方も多いのではないでしょうか。

個人レベルでは、外に遊びに行けないとか飲みに行けないとか、自由に動けないストレスがありますよね。また、急に仕事の進め方がテレワークになった場合などは、今までとは違うストレスがあるかと思います。

飲食店を経営されている方からしてみれば、1ヶ月延長の決定は現実問題かなりの大打撃で、国や地方自治体の補償がなければやっていけないという事態にまで発展しています。

一方でコロナ特需で業績を伸ばしている企業もあります。

そのような大きな変化の中でも、様々な事情で転職したいという方は、いつも通り一定数いらっしゃいます。しかし、なかなか思い通りに進められなかったり、どのように動いたら良いか分からないなど、いつも以上に不安を抱えてらっしゃる方が増えています。

今回は、コロナ禍での転職活動についてのおはなしをさせていただきます。

コロナ禍の求人状況

正直申し上げると、求人数は減っています。

しかし、採用したいポジションがないとか、現状の会社業績が厳しいといったことで、採用を止めているわけではなく、今後自粛がいつまで続くのか先行きが見えないため、採用計画が立てられず、採用活動を一時的に止め、延期しているだけということが多いです。

そのような企業は、緊急事態宣言延長期間が明確になり、ゴールデンウィークが明けた今週から社員の勤務の仕方と併せて採用計画を検討し、方針を出していくことになるかと思います。

一旦採用活動を停止している各社の状況は今週聞き取りを進めますので、今週来週の転職相談では転職を考えている技術者のみなさまに具体的な情報をお伝えできるかと思います。

もちろんいつも通り、あるいは今がチャンスと考え採用活動を行っている企業もありますので、今は転職できない時期かというとそんなことはありません。

求人数の多い時期が転職のチャンス?

コロナ禍で、求人数は実際に減ってはいますが、求人数が多ければチャンスという単純なものではありません。

転職支援をしていると、「求人が多くなる時期はいつですか?」「転職するのに良いタイミングはいつですか?」という質問を受けることが多くあります。最近では「コロナ禍で転職するなんて、タイミング良くないですよね?」という質問が定番となっています。

もちろん、タイミングは様々影響しますが、自分がどのように仕事をしていきたいか、どのように生きていきたいか、どうなりたいかなどを実現するための計画を立てた上で、時代の変化に柔軟に対応しながら、進めていくことが大切ですので、いつも「人それぞれです。」という回答になります。

「世の中が今こうなったからどうしよう」と焦るのではなく、まずは自分のライフキャリアプランがあった上で、何かが起こったときに時代の変化にあわせて柔軟に対応していくというイメージです。

タイミングを先に考えるのではなく、まずは自分の計画を考えるということです。

ライフキャリアプランが既にあるという方は問題ありませんが、具体的にないという方は、コロナ禍の今こそ、ライフキャリアプランを考えるべきかと思います。

自分の軸が明確になると、多くの求人があれば良いというわけではないことや、転職に適した時期は人それぞれということに気づくかと思います。

沢山の選択肢であろうと、少ない選択肢であろうと、自分のライフキャリアプランに当てはまる企業があれば良いのです。

自分の強みを明確にすることが必要

コロナの影響で、今後ますますメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用にシフトしていく可能性があります。就社から就職への変化です。

高度成長期には、総合職としてその会社で活躍できる教育を受け、定年まで雇用を守ってもらえるという形が当たり前でしたが、定年まで雇用を保証してもらえない今ではその会社のみでしか使えないスキル・経験では生き残れず、どこででも活かせるスキル(ポータブルスキル)を身につける必要があります。

技術者(エンジニア)の場合は、元々ジョブ型のようなものなので、スキル・経験は基本的にどこででも活かすことができます。そのため、通常よりも心配する必要はないかもしれません。

しかし、その中でも、今後生き残れるスキル・経験は限られてきますので、そこを見極めていくということは必要になります。

常に世の中の情報にアンテナを張って、様々なことに興味を持ち、信頼できる転職エージェントを見つけ、いつでもキャリアコンサルティング(転職支援前提ではないもの)を受けられるようにしておくことが、これからは一段と大切になってくると思います。

そして、自分の強みとなるスキル・経験を明確にしておくことが必要です。それには次に紹介する履歴書、職務経歴書の作成で、経験を書き出す作業が役に立ちます。

履歴書、職務経歴書の作成を進める

ライフキャリアプランを考えるのは、お手軽簡単にできるものではありません。そこでおすすめなのが、履歴書、職務経歴書の作成です。

コロナ禍でステイホームの今こそ取り掛かるべきことです。

ここでのポイントは、応募書類としての履歴書、職務経歴書を作成しようとしないことです。とにかく純粋に自分の経歴を書き出すということから始めてみてください。応募書類としての作成を進めると、簡潔にまとめようとしたり、きれいに見せようとしたり、無理にPRしようとしたりしてしまい、ライフキャリアプランを考える上でのキャリアの棚卸しになりづらいこともあるからです。

書き出し方のポイントは、下記になります。

Point

1.携わったもの(製品名 or 設備名 or プロジェクト名など)
2.その携わったものの説明
3.それらに対して自分は何をしたか。
 ・それらのどの部分を
 ・どのような役割で
 ・どのような苦労や工夫をして
 ・どのような結果になったか

上記を携わったもの毎に書き出していきますので、かなりの量になるかと思います。

書き出した後、再度見返してみると、下記のような様々な気づきがあります。

  • 結構頑張ってきた自分に気づく。
  • 面白かったこと、つまらなかったことが見えてくる。
  • 得意なこと、不得意なことが見えてくる。
  • 自分が仕事を通じてやりがいを感じた瞬間に気づく。
  • 自分がどのような立ち回りをしていたのかが見えてくる。
  • 今までの人との関わり方に気づく。
  • やりたいこと、やりたくないことが見えてくる。

上記以外にも、多くの気づきが得られます。

そして、それらの気づきは、今後自分がどうしたいのかを考える上で大事な材料となりますので、純粋に書き出してみることは非常に大切です。

時間のかかる作業になりますが、自宅で集中できる今こそ取り掛かってみることをおすすめします。

時代の変化や、様々な情報に振り回されることのない、しっかりとした自分の軸を是非見つけてください。

履歴書、職務経歴書の書き方については過去の記事を参考にしていただければと思います。下記リンクで見れます。

【保存版】技術者/エンジニアの履歴書、職務経歴書の書き方

技術者(エンジニア)に特化した履歴書、職務経歴書の書き方を紹介しています。

具体的な転職活動の進め方

自分がどうしたいのかが見えてきたら、その考えにあう企業を探し始めます。

求人サイト、知人・友人、転職エージェントなど求人情報はありますが、昨日は採用募集していたけど、今日はストップしたなど、一日一日求人企業の採用状況は変わってしまうコロナ禍では、知人・友人からの紹介や転職エージェントからの紹介を利用した方が良いと思います。

求人サイトで自分で応募して書類選考NGだった場合、NG理由は教えてもらえないことが多いです。今の状況では、スキル・経験のミスマッチやスキル不足という理由ではなく、先の見えない状況で消極的になっているためのNGということも考えられます。

そのような形のNGでは本来の正しい選考とは言えないので、やはり事前の企業情報は重要になってきます。個人でどんどん求人企業へ応募を進めていくのではなく、知人・友人からの紹介や、転職エージェントからの紹介であれば、事前の情報を入手した上で正しいタイミングで応募ができ、書類選考での無駄なNGを減らすことができます。

まとめ

コロナ禍だからと言って、振り回されるのではなく、自分にとってのタイミングを大事にするということがポイントになります。

そのためには自分がどうしたいのか、そして自分の強みは何なのかを明確にしておく必要があります。コロナ禍のステイホームの今こそ、それらを知るために今までの経歴を全て書き出してみましょう。

そして実際に応募に動き始める際は、自分で応募するのではなく、知人・友人や転職エージェントを通して、正しいタイミングで応募することが大切です。

コロナ禍での経験や過ごし方が、今後の時代の変化に対応できる人になれるかのポイントになるかと思います。