ドタキャンしたこと、ありますか?

先日、転職面談をドタキャンされました。最近ではオンラインでの面談も増えたこともあってか、ドタキャンされることはなかったので久しぶりの出来事でした。

デート、飲み会、同窓会などを、「楽しみにしていたのに行けなくなった!」あるいは「やっぱり行きたくない!」とドタキャンした経験はどなたにもあるかもしれませんが、面接をドタキャンした経験はどうですか?面接をドタキャンするのは、よほどの事情があってのことと推察しますが・・・

なぜ、面接をドタキャンすることになったのか

 「当日になってイヤになった。」や「なんか気分じゃない。」などという理由で面接をドタキャンすることは論外ですが、【よほどの事情】にあてはまるドタキャンは、あり得ることかもしれませんね。

その、【よほどの事情】にあてはまる事情というのはご家族またはご自身の急病や自然災害によるものなどの【やむを得ない事情】といったところでしょうか。

ほかには、新型コロナやインフルエンザを発症したなどの【第三者が聞いてもそれは仕方ないこと】とされる事情であれば、ドタキャンになってしまうこともあるのかもしれません。

グレーゾーンなドタキャン理由

 「どこまでが【やむを得ない事情】というのか?」についても解釈が分かれるところではありますが、理由によっては、「仕方ないこと」とされるか「それを理由にドタキャンするの?」とされるかが分かれることもあります。

たとえば、交通機関による事情です。首都圏などの交通網が発達している都市にある面接会場へは、交通手段としてのルートが複数ある場合には、どこかが不通となっても別の手段で向かうことが可能なこともあります。そのようなことから、「不測の事態に備えて別手段で向かうことを想定して行動すべき」というキビシイご意見もあります。また、それでキャンセルするということはさほど志望度が高くないのだろう、と思われることもあるかもしれません。

過去にあったケースです。終業後の夜時間に面接を控えていたAさん。面接予定の企業はAさんにとって「志望度がかなり高い」と、とても意欲的でした。企業側も同様に、Aさんに対する期待度が高いご様子でした。

ところが面接当日の夕刻、Aさんからお電話が入り、「夜に予定されている面接をキャンセルしたい」と言われました。

その日Aさんはクライアント先での打ち合わせがあり、終了後に面接へ向かう予定でした。クライアント企業は高層ビルの高層階であったため、そこで頭痛とめまいを発症してしまったということでした。

「時間の経過とともに症状はおさまってきたけど、ベストな状態で面接に臨みたいので今日は行きたくない。」とのことでした。企業側へ事情を説明し、謝罪とともにリスケをお願いしました。

企業側もAさんへの期待度が高かっただけに、一次面接から部門長が同席することになっていたそうで、急なキャンセルに驚いた様子でしたが、Aさんが希望した日程のなかから、最短で再度設定可能な日程を提示してくださいました。

Aさんはもともと高いところがニガテだったのかもしれませんし、面接をひかえていたことで緊張が高まったのかもしれません。ご本人も志望度が高いと言っていただけに残念でしたが、再度チャンスをいただくことができたので、次は万全の体調で向かってもらいたい!と思いました。

そもそも、どの時点でドタキャンになるの?

ドタキャンとは【土壇場でのキャンセル】の略です。さらに土壇場とは【せっぱつまった局面】という意味ですが、「ここからがドタキャン」といった正確な時点があるわけでもなく、それぞれの感覚値によるものとなりますよね。

冒頭の、面談を久しぶりにドタキャンされた話の場合は、開始時間の約30分前にメールで面談辞退の連絡を受けました。

多くの人の感覚値では、「面接の開始時間に関わらず、当日のキャンセルはドタキャン。」ではないでしょうか。また、開始時間が午前中であれば、前日の午後でもドタキャン扱いととられることもあるかと思います。

友人との約束事などにおいても、大多数の人は「当日の連絡ならばドタキャン。」とするようです。なかには「前日連絡でもドタキャン。」「いやいや一週間きったらドタキャンでしょ」と定義する人もいるようですので、親しい人との約束事でも気をつけたいですね。

それでもドタキャンとなってしまったときは

面接という大事な予定であっても、急遽キャンセルしなくてはならない事態が起きることはあります。そのときは、

キャンセルしなくてはならないとわかった時点で即電話!

です。企業と直接やりとりをしている方は企業の採用窓口へ、エージェント経由で応募している方はエージェントへ電話しましょう。

名前を名乗り、予定していた面接に伺うことができないことを伝えます。再度面接を希望する場合は、その後の連絡方法について指示を仰ぎましょう。

以前、「メールではダメなんですか?」と質問されたことがあります。企業には、面接のために時間やスペースを確保してもらっているのですから、ドタキャンの場合はすぐに連絡をとり、【ご自身の言葉でお詫びする】のがマナーというものです。

メールでは受信者がすぐに開封するかわかりませんし、LINEなどのメッセージアプリも使用しないほうが良いでしょう。

また、キャンセルではなく遅刻しそうな事態のときも

間に合わないとわかった時点で即電話!

です。志望度の高さは態度で示さなければ伝わりません。あらためて面接の機会をいただくためにも誠意ある行動をとりましょう。

ドタキャンからのリスケジュール

※リスケジュールとは、【スケジュールを組みなおすこと】で、ビジネスシーンでは略して「リスケ」と言うことがあります。

前述のAさんのつづきです。リスケ連絡のあとAさんから、「その日は別のクライアントとの懇親会があったのを忘れていまして・・・他の日にしてくれませんか?」と言われ、ちょっと面食らってしまいました。

「志望度が高いとのことでしたが、考えが変わったのでしょうか?」と聞くと、「いいえ。志望度は高いです。」言うAさん。この日程であれば大丈夫ということだったので企業側に提示いただいた日時でしたが、「別日が良い」の一点張りで話が平行線・・・。

Aさんにしてみれば、「事前に変更をお願いしているのだから、ドタキャンではないので変えられるはず。」とのお考えのようでした。一方の企業には「(そのような状況で)弊社への志望度が高いと言うのは本当ですか?」などと不審に思われ、平謝りするしかありませんでした。 

結果、その後の選考は行われませんでした。Aさんと連絡がとれなくなったのです。企業の方にはお手数とご迷惑をおかけする事態となりました。Aさんのような対応は、私たちエージェントにも企業の方にも不信感しか持たれず、たいへん残念だと思います。

リスケしての面接では、「通常の面接以上に最後のチャンス」と捉えて臨むくらいの気持ちでいましょう。どのような理由であれ、ドタキャンは印象が良くないものです。企業側に「再度面接の機会をもって良かった」と思ってもらえるよう、あらためて再度面接の時間を用意していただいたことに対して御礼を述べ、有意義な時間になるよう努めましょう。