「会社見学」や「職場見学」というと新卒採用で実施されるものと思われがちですが、中途採用においても行われています。休日に説明選考会などを開催されている企業であれば、そこに参加することで会社の様子を見聞きするチャンスがありますが、中途採用の場合はそのようなイベントを実施している企業は限られています。

しかし、会社見学がまったくできないということではなく、選考の過程で求職者側からの申し出により会社見学の機会を設けてくださる企業も多くあります。また、あらかじめ会社見学を選考課程に組み込んでいる企業も増え始めてきました。

会社見学の目的とメリット

求職者側からの申し出により会社見学を実施するタイミングとしては、「選考の最終確認」として行われることが多いかと思います。内定承諾の前に実際に働くことになる環境を見せていただくことで、『自身のイメージと食い違っていないか』、『(入社を前提として)準備すべきことが確認できる』などを目的としていることでしょう。入社してから「知らなかった」「そうは思っていなかった」といったトラブルが回避できるメリットがあります。

選考過程に組み込まれている会社見学の場合は、実施のタイミングは一次面接の前や一次面接と二次面接の間に行われることが多く、求職者側と企業側の双方が職場環境における情報を共有したうえで次の選考へと進めることができます。そのため、『面接で質問しておきたいこと』や『確認しておきたいこと』をより具体的に用意できますし、さらに求職者側には『将来同僚となる方たちとも出会えるチャンス』があるので、入社後の不安も軽減できるというメリットがあります。

選考過程における会社見学で留意しておきたいこと

『カジュアル感覚』でいるのは注意

一次面接前に実施される会社見学の場合、「通常面接の前段階なのだから、要はカジュアル面接でしょ?!」と捉えてしまい、心も服装もカジュアルに準備している方も見受けられます。

企業側が会社見学を設定してくださるということは「自社に応募意欲がある」という前提でのことですから、通常選考と同様の心構えでいていただきたいものです。興味本位ではなく、応募意思を持ったうえで訪問しましょう。

また、『見学』というフレーズから「企業からの説明を受ける」だけと思われる方も多いようです。しかし、通常の選考と同様に事前に応募書類に目を通していただいたたうえで設定されている場ですから、実際に顔をあわせれば企業側から質問を受けることはあります。

職場に設置されている測定器やツールなどを目の前にして使用経験の有無を聞かれたり、現職経験との比較や転職理由などをたずねられたりすることは当然あることと認識しておきましょう。

通常の面接と同様の姿勢で

服装は、事前説明や特段の事情がないかぎり面接と同様の服装で訪問しましょう。入場(入室)させていただく環境によっては用意された履物に替えたり安全帽などの着用を依頼されたりすることもありますから、着脱しづらい靴や派手な柄の靴下、整髪料でヘアスタイルをバキバキにセットして行くようなことはひかえて、シンプルな身だしなみを心がけたいものです。

また、「せっかく見学に来たのだから、いろいろと見ておきたい」という気持ちになることもあるかと思いますが、むやみに製品や備品に触れたり、必要以上にのぞき込むような行為はひかえましょう。

次のステップに進むための判断材料を明確にしておく

会社見学は、企業側から説明を受け、働く環境を見ることができ、双方の認識を共有できる大変有意義な機会です。企業側も見学中の姿勢を見て「次選考に進んでほしい人」であるかを判断しています。ノープランで行くのは、せっかく用意いただいた時間をムダにして残念な結果しか残しません。

通常の面接時と同様に、説明を受けた企業の情報、そこで働くイメージをふまえ、次のステップへ進むための判断材料となる気になることや聞いておきたいことは質問できるようしっかり用意しましょう。