面接を通じて、「企業(職場や業務、環境)のことはいろいろと聞いているけれど、実際に働いてみないとわからない」ことはあります。入社までにできることと言えば、「前もってわかる情報はしっかりと把握しておく」ということでしょうか。入社前に不安要素は少しでも減らしておきたいものです。
新入社員であれば会社生活というものを経験したことがないため比較対象がありませんので、漠然とした不安が多いでしょう。知っておきたいことも「給料は上がるのか?」や「人間関係に悩んだりしないかな?」といった少し抽象的な内容になりがちです。しかし、社会人経験を積んでの転職の場合は、もう少し踏み込んだ「リアルな情報」を確認しておきたいところですよね。
今まで以上にギャップが生じやすくなる!?
コロナ禍の影響もあり、来社面接からオンライン面接へ変更している企業は増加中です。面接を受ける側だけでなく企業側も、オンライン面接による選考は来社面接による選考と比較すると「伝えづらい/伝わりづらいところがある。」と感じているようです。これまでとは選考方法が変わりつつある今、企業との認識ギャップを埋める努力はさらに必要になってくることでしょう。
これまでの転職相談を通じて、技術者の方々から「入社してみたら違った。」「入社前にもっと確認しておくべきだった。」と感じたこととして多く挙げられた事例をご紹介します。
知っておきたいリアルな情報◆例(1)【ポジションと役割】
「入社前に聞いていた話と違った。」という内容で一番多いのが【仕事内容】です。選考過程において聞いていた説明や内定時に確認した内容と実務にギャップがあり、再度転職を考える人も多いのです。
企業側が虚偽の説明をしていたという事例もありますが、実はそのほとんどが【双方の認識が合致していなかった】ことによるものなのです。
「業務に関する事前情報が断片的あるいはピンポイントであり、全体像から見てどのような位置付けなのかを捉えることができなかった。」あるいは「ツールの使用スキルなどが要求レベルを満たしてないことがわかった。」ということなどを聞きます。
知っておきたいリアルな情報◆例(2)【勤怠状況、制度】
次いで多いのは残業や出張などの勤怠についてです。「残業はそんなに多くないと聞いていた。」という話や「出張があった場合の取り扱いが前職とは違っていた。」といった話をお聞きすることがあります。
転職活動において、話の基準となるのは「前職のルールや慣例」であるため、他社とは言葉の解釈や業務の取り扱いが異なる場合があるのですが、その認識を持たない人もいらっしゃいます。一方で企業側からの説明は自社のルールや慣例がベースとなっているので、その時点ですでにギャップが生じていることに双方が気付いてないのです。
より詳しく説明し、より深く確認する
会社の状況や業務の内容をしっかり理解し把握するには、まずはご自身のことをより詳しく、よりわかりやすく説明できるようにしましょう。
キャリア採用の面接では、仕事での成功/失敗体験を聞かれることも多いです。企業側があなたがどんな人かを理解するために、具体的な事例を挙げて話してもらうことで様々なことがわかるからです。ですが、説明する内容を簡略化してしまい、個人で実施したことなのかチームで実施したことなのかがうまく伝わってなかったり、習熟度の高さがきちんと理解されなかったりすることもあります。そのような状況だと、認識がずれたまま職場や業務の説明を受けてしまうことになりますので、入社後のギャップ感につながることとなってしまいます。
数値で表現できるものは具体的な数字を示すなどして、「ちょっといい感じに話そう」とする姿勢よりも「事象をリアルに説明しよう」という姿勢で話すようにしましょう。そうすることでお互いの認識にずれがあることに気付いたり、より深く理解することができたりします。
フワッとした思いを言語化して伝える
「なんか心配だな」とか「なんとなく不安だな」と感じていることってあるものですよね。そこはなるべく、わかるように言語化して質問できるようにしましょう。この場合も、双方の認識が異なることを想定して話すことが大事です。「現職と比較してみるとどうなのか」などの表現で伝えると認識のずれを回避できると思います。
内定となった場合には「内定通知書」を受け取りますが、受け取っておわりではなくきちんと目を通し、不明点があれば確認しましょう。直接企業に聞きづらいようであれば、転職エージェントを介して確認しても良いと思います。気になるところを引きずったまま内定承諾しても「なんかモヤモヤが残る」だけです。
新しい世界に踏み出すことは不安も伴うものですが、ご自身の向き合い方次第で軽減することは可能です。不安や心配事を少しでも減らし、「転職して良かった!」と思える活動をしていきましょう!