弊社のご紹介で面接を受けて来た技術者の方の話です。

企業側から面接に出られた方は、技術部門の管理職クラスの方3名と人事部門の方1名の計4名だったそうですが、自己紹介が終わるやいなや、技術部門の方々から質問を浴びせられたそうです。

あらかじめ送付した履歴書と職務経歴書を、みなさんが手に持たれ、

「どういう目的で開発した装置なの?」

「得意としてる設計をもっと詳しく。」

「使用ツールはわかったけど、機種は?それならこの程度の規模まではできるよね。」

などなど(詳細な内容は公表できないので、ここではザックリした表現としております)。

技術者同士の対話であれば、自然とそうなるものなのかもしれない内容ではありますが、質問に答え終わるかどうかといったタイミングで次の質問が来る、という状況だったそうです。緊張もあいまって答えるのが精いっぱいだったとのことで、さぞかし疲れたことだろうと思いました。ところがその方は、

「大変でしたけど、みなさんがこれほどまでに僕の経歴を事前に読み込んでくださっていたんだ、興味をもっていただいてるようで嬉しい気持ちになりました。」

と言われたのでちょっと驚きながらも、私もなんだか嬉しい気持ちになりました。

以前受けた会社の面接では、目の前に役職の方が5~6人ほどズラリと並び、威圧感すらおぼえたものの、経歴書を手に質問をしてきたのは一人の方だけで、それはそれで質問者を一人に集約されたスタイルだったのかもしれませんが、他の方は質疑応答を聞いて「へー、そうなの。」といった反応だったそうで、

「正直なところ、僕の経験職種も知らないのだろうなと感じてしまいました。」

辞書をひくと【面接】という言葉には、能力や人柄を見たり聞いたりするために直接会って話すこと、という意味があります。直接会って話せる絶好の機会に、洩らすことなく聞こうと思うのは当然のことであり面接の本質だと思います。

では、求職者側は聞かれるだけの立場で良いでしょうか。

同様に、直接会って話せる絶好の機会に会社のことや製品のことを洩らすことなく聞くべきです。ご自身のことを詳しく聞かれることが嬉しいように、興味をもって聞くことは会社側も歓迎モードになるはずです。ただし、なんでも聞けば良いというものでもありません。聞く内容も大事です。私たちは面接前の打ち合わせにおいてその点も確認しています。ぜひご相談ください。