日々、技術者の転職の支援をする中で、よく起こる事、そして矛盾を感じる事、何故か繰り返されるようです。面接に対しても、結構色々なパターンがありまして、今日は、面接に対して、ご本人の自信と、面接結果に関して書かせて頂きます。

技術者の面接の特徴

技術者の転職支援は、営業職や、総合職の支援とはだいぶ違うようです。技術者は専門職ですから、話の内容に専門性が高い事はもちろん、ご本人の性格や考え方、コミュニケーションにも個性が強いようです。

技術者のコミュニケーションの特徴

よく、『技術者らしいですね』という言い方もするのですが、その特徴にも幾つかのパターンがあります。特に特徴的なパターンをまとめてみました。

喋るのが苦手なタイプ

技術職の仕事の中には、あまり喋らないで済んでしまう仕事もあります。じっくり個人で考え、作業し、ものを作り出す、という職種には、喋るよりも、考えて文章で伝えるのが得意な方が多い傾向があります。結果的に、『喋るのは苦手』となるようです。職人タイプの方もこれに入ります。

一方的に喋るのが得意

営業職のように、交互にコミュニケーションを取るのではなく、技術的な説明やプレゼンテーションが多い技術職の場合、一方的に喋るのが得意という方も結構いらっしゃいます。ですので、『喋るのは得意』と同時に、『聞くのは苦手』と言えるかもしれません。

喋るのも聞くのも得意

技術職の中でも、マネジメントを伴う役割の方や、マネジメント特性を持っている方、そして外向きの技術職(技術営業や、サービス、フィールドの技術職)に関しては、『喋る』のも、『聞く』のも重要でバランスが必要になります。その結果、『喋るのも聞くのも得意』というバランスに近付きます。

面接の得意or不得意とは?

それでは、面接が得意であるとか、不得意であるというのは何なのでしょう?まず、本人が思う得意不得意に関して考えてみましょう。

面接が得意と思っている技術者

面接を得意と思っている技術者の特徴は、少なからず、『喋るのが得意』と考えているタイプでしょう。面接は、自己PR、質疑応答、プレゼンや提案の要素も入ってきます。何れにしても『喋る』事は必須になりますので、少なくとも『喋る』事が得意と感じていないと、面接を得意とは考えられないようです。

面接を不得意と思っている技術者

これに対して、面接を不得意と思っている技術者は、やはり『喋る』事が苦手と考えている技術者に多い傾向があります。上手く喋れない、伝えられない、アピール出来ない、と考える結果、『面接は不得意』と認識するようです。

支援側から見る、面接の得意or不得意とは?

面接が得意な技術者というのは非常に少ないと感じますし、そもそも転職を経験していなければ面接も得意にならないでしょう。そうすると、転職経験が豊富な人ほど面接が得意というのも1つの要素かもしれません。

転職経験がある人の場合

転職経験があるという事は、過去に面接に合格しているという事です。これは経験としても実績としても、持っているという事になります。

そのまま面接を受けても大丈夫な人

過去の転職経験時に、面接対策をしっかりしたり、本当の意味で得意だった人は、そのまま面接を受けても上手くいくかもしれません。前項まででまとめたように、『喋る事』も上手くいった経験があるわけです。支援する側から見ても、大丈夫だろうと安心できる方もいらっしゃいます。そういう方は、大体一度面接的な話をしてみれば分かるものです。

面接対策が必要な人

転職経験があるからと言って、面接が上手く出来るとは限りません。過去の転職経験時に面接をしっかり受けてきてない人もいます。これは、技術者に結構多いパターンで、きっちりとした面接をせずに転職を成功させているパターンです。また、新卒時にもきっちりした面接を受けずに、推薦や、紹介、現場面談の流れで入社しているようなパターンもあります。こういう場合には、一から面接対策が必要になります。

転職経験がない人の場合

転職経験がない人の場合は、ほぼ全員に面接対策が必要になります。まずは、中途採用の面接に関する知識から知ってもらいます。それから、実際の面接での喋る内容や、ポイントを理解し、練習していきます。

支援側から見て面接が得意な人とは?

これは、私の実体験では割合として少ないのですが、転職経験があり、自己理解が深く、論理的思考で話せる人でしょう。また、面接官の経験がある人は、理解が深い分、面接対応も上手いと感じます。これに対して、業務上の『打合せ』や『面談』、『営業』で喋る事が多いので面接も大丈夫だろうと考えている人には注意が必要です。

支援側から見て面接が不得意な人とは?

基本的には、面接が不得意な人が殆どです。それくらい、面接というのは特殊な場であり、特殊なコミュニケーションなのです。但し、対策をすれば殆どの人は上手くいくようになります。不得意な事を理解し、自身の特徴を掴み、素直な気持ちで対策を行える人は、やればやるほど良くなっていきます。逆に、自身が不得意だと認められない人、素直に努力しようと思えない人は、面接本番で気持ち良く喋れたとしても、面接官の意図とズレてしまい、正確に伝わらなかったり、自己PRにならなかったりしてしまいます。

まとめ

面接対策の時に大事なのは、面接という特殊な場に臨むにあたって、素直な気持ちで準備する事です。『自分には対策は必要ない』、『打合せでいつもやっているから大丈夫』、『ありのままの自分を見てもらいたいので準備したくない』という人達が失敗する姿を沢山見てきました。転職活動で人生は変わってしまいます。つまり面接の結果で人生が変わる訳です。技術者の転職活動ですから、技術的な事で不合格になったのならば仕方ないと思いますが、面接のしゃべりで不合格になってしまったら、それが準備さえすれば解決できる事だったのならば、という事をよく考えます。素直に面接対策はしましょう。支援にはいつでもご協力できますので。