技術革新で世の中が大きく変わろうとしている中、今後どのような世界になっていくのか、あるいは今の会社は変化についていけるのか、自分の技術は通用するのかなど、将来不安を感じている技術者の方は少なくないと思います。

未来のことは誰にも分かりません。先のことばかり気にし出すと不安になるものです。「今の自分」をしっかりと見て、「今」をしっかり取り組むことが、将来不安解消の近道です。

将来不安は技術力を高めることで解決!

転職支援をしていると、将来不安を感じている方が多いことに改めて気づきます。

先の分からないことに対して不安になるのは分かります。

将来、会社が倒産しないか、昇給していくのか、事業撤退しないか、賞与はしっかり出続けるか、事業縮小しないか等々、自分の力ではどうにもならないことに対しての不安が多いように感じます。

特に20代の若手の方は老後のことなど、かなり先のことまで心配している場合も少なくありません。

しかし、会社業績がどうなるかといっても、会社の状況は変わっていくので、正直未来のことは誰にも分りません。そのような自分の力で対処出来ないことは考えないことです。(ここでのお話は企業選定のことではないので、もちろん企業選定は別でしっかりと考えなければなりませんが。)

とは言え、先の分からないことは不安になりますよね。

しかし、技術者/エンジニアの場合はシンプルです。このような不安は、どこでも通用する高い技術力や、幅広い技術を身につけることで解決します。どこへでも持ち運べるスキルなので、ポータブルスキルと言ったりします。

技術者(エンジニア)は技術力さえあれば、どっしりと構えていられます。

あれこれ考えても不安が膨らむだけですので、とにかく力を付けることに集中しましょう。

そうすればいつの間にか不安なんて忘れてしまいます。

技術者(エンジニア)が転職する際に考える企業の将来性

「ここの企業は面白そうなのですが、将来性が気になりますね。」という技術者(エンジニア)は少なくありません。

将来どうなるかということが気になるのは当然のことですし、今後成長性の見込める企業へ行くということは大切だと思います。

成長性が見込める企業であれば、技術的にもどんどん新しいものに挑戦していける環境、あるいは挑戦し続けていかなければならない環境でしょうし、技術者(エンジニア)としてやりがいも感じられるかと思います。

では、将来性のある企業はどこなのでしょうか。

・・・正直言ってしまうと、それは誰にも分りません。

バブル崩壊後は、絶対に倒産することはないといわれていた企業が、倒産に追い込まれたり、倒産までは行かなくとも、厳しい状況に追い込まれたりと、本当に未来は何があるか分かりません。バブル崩壊だけでなく、リーマンショックやギリシャショック、震災など、予想つかないことが普通に起こります。

そういう話をすると、「もうどうしようもないじゃないか!」、「お先真っ暗!」と悲観的になりがちですが、自分以外の先のことを考えるのではなく、自分がどうするかを考えるともう少しシンプルに前向きにそして強くなれるかと思います。

シンギュラリティを迎えると過去の高度成長時代とは比較にならないほど環境は急激に進化し、想像もつかないような世界に変わっていきます。

新たな職種が追加されたり、今ある職種がなくなったりと、どんどん変わっていきます。

過去を振り返ってみても、例えば私が高校生くらいの時はWebデザイナーという職種はありませんでしたが、インターネットが一般的になってからは売れっ子の職種になりました。逆に電話交換手という職種はダイヤル自動化によりなくなりました。このようにして、これからもどんどん世の中は変わっていくのです。

そのような急激な社会の変化についていけるようになるには、常に努力し続けることが出来る自分であることです。つまり、今努力出来ない人は将来厳しくなりますし、今努力出来る人は世の中が変わっても、新たなことを学び、その時々にマッチした新たなスキルを身につけ、活躍していけます。

将来不安をなくすには、とにかく今を頑張ることです。

そして、企業選定については、何年も先のことは分からないので、今元気の良いところ、あるいは引き合いが増え始めているところにチャレンジし、そこでとにかく頑張るという考えが、将来不安を軽減し、変化の激しい時代を乗り越えて行ける技術者(エンジニア)でいられると思います。

「努力出来る」というのはいつの時代でも使える汎用スキルです。

将来不安による転職は企業からネガティブに見られることがある

何年も前の話にはなりますが、複数の企業の社長から同じようなお話を聞き、確かにそういう考え方もあるなとやけに納得してしまったことがありました。

それは、将来不安による転職についてです。

求人企業が必ず確認したいと思う内容の中に「転職理由」があります。技術者(エンジニア)の皆さんも応募する前にその辺りの考えを整理しているかと思います。

我々も事前に推薦書という形でのドキュメントと、実際に求人企業へ電話あるいは訪問して、ご紹介する技術者の転職理由や、どのような方なのか等の事前情報をお伝えしています。

その推薦書には、「PRとなる推薦理由5つ」と「各社の退職理由」を記載しており、「将来不安」という内容を記載することが少なくありませんでした。これは会社業績の問題や業界の低迷、その他諸々、様々な理由からの将来不安ということになるのですが、私は今までそれは本人の力ではどうにもならないことだから、仕方ないことだと考え、推薦書に堂々と記載していました。

弊社が保有している求人の企業様とはお付き合いも深いこともあり、書類選考はパスで面接へは進んだのですが、「将来不安だからその会社を辞めるという人は、当社では合わない。」ということで見送りたいというお話になってしまいました。

これは、どんな企業でも危機は訪れる時代であるにもかかわらず、その危機を皆で力を合わせて乗り越えて行こうという考えにはならず、当社に入社しても、厳しい状況になれば不安になってまた転職するのではないかという考え方も出来るからだと思いました。

他にも自分が出来ることで改善を試みようとは思わなかったのかと思ったりもするかもしれません。

ちょっと極端な説明になってしまいましたが、将来不安を感じて転職という言葉を使うときには、もう少し背景となる詳しい説明や説明仕方を気を付けなければならないということです。

転職を考えている技術者(エンジニア)の皆さんも必ず転職理由の話は出てきますので、表面的ではなく、深く考えを整理しておいていただければと思います。

転職先を考える際に企業規模は気になりますか?

気になるという方もいらっしゃるかと思いますが、技術者(エンジニア)の場合、あまり気にしないという方が多いようです。

それよりも仕事内容や職場環境を重要視する方が多いです。

弊社の紹介でも、4名~10名規模の企業に興味を持ち、面接を受け、内定、入社となった方々がいらっしゃいます。

そのような方々は以下のような共通点があり、仕事に対するモチベーションが高く、ハイパフォーマーで、結果的に高い評価を受けています。

  • 将来、企業に頼らなくてもやっていける位の力(技術力、コミュニケーション力等)を付けたい。
  • 大組織にありがちな無駄な業務を省いて、本質を考えた仕事のスタイルを希望している。
  • 一部の業務だけでなく、全体を見渡して一から十まで携わっていきたい。
  • 給与はもらうものではなく、稼ぐものだと考えている。
  • 自分の力でやったという実感が欲しい。
  • 営業担当を介さずに、お客様(ユーザー)と直接やり取りしていきたい。
  • 時間ではなく、質で仕事をしたい。

とにかく力を付けないと将来生き残れないという危機感を、どこかしらで感じているのかもしれません。あるいは、大企業で経験してみて、何かを感じてこのように思うようになったのかもしれません。

いずれにしても企業規模で転職先を選ばないという方が、技術者(エンジニア)には多いように感じます。

何が正しいということはありませんが、転職先を考える際は出来る限り固定観念に囚われず、フラットに考えられると良い結果につながると思います。

結局は何とかなる

事例を挙げて、お話してきましたが、どんなことでも「何とかなる」ものですし、「何とかなる」と思っていたほうが、不安に押しつぶされず、前に進んでいけます。

私の前職場の卒業生で個人事業主として、頑張っている人が何人かいますが、常に思うのが、「やりたい事をやったほうが良い。」という考えです。不安に感じている暇なんてありません。

もっと早くやれば良かったという人も少なくなく、考えてばかりいる前に動くことの大切さ、そして、チャレンジしたからと言って死ぬわけではないという大胆さが必要だと思います。

○年後に□□をやろうと思っているという方は、すぐにやったほうが良いと思います。

能力や経験がないとあきらめたり、将来不安が大きくなり考えが整理できなくなったりする前に自分が「今出来ること」をもっとシンプルに考えてみることが重要だと思います。例えば、頭が良い人は頭を使う、身体が強い人は身体を使う、どちらもダメな人は情にすがっていくという考え方です。そうすれば何とかなるものです。

何かやろうと思ったらすぐにやりましょう。

失敗しても大丈夫!世の中何とかなるものです!

このような考え方は、独立ではなく、転職でも同じでやりたい事をやったほうが良いです。ご一緒にキャリアの本質を考えてみませんか。