転職の目的も、個々人により様々です。中には、キャリアチェンジを目的とした転職を希望する方がいらっしゃいます。転職する際には、『マッチング』という、経験といかに近いか、という基準での職選びが主流ですので、キャリアチェンジは少数派と言えるかもしれません。

技術職から他職種への転職は少ない?

技術職を経験してから、他の職種に転職を希望する方は、割と少ないと感じます。それだけ、技術職というのは、専門職ですし、好きで選んでいる人が多いのだと感じます。普段ご相談に来る方々を見ていても、他職種への転職を希望される方でも、技術職内での希望が多いですね。恐らく一番多いのが、設計以外の技術職から技術職へのキャリアチェンジのご相談です。やはり、それだけ設計職の魅力、設計職への憧れがあるのでしょう。

技術職から他職種へ転職するパターン?

しかし、少数派であっても、他職種への転職を希望する方はいらっしゃいます。理由は色々とあると思います。技術に限界を感じた、向いていないと思った、もっと人と話す仕事をしたい等々。要するに、技術職を経験した上で、『違う』と思ったという事でしょう。では、技術職を辞めて、何をやりたいと思うのでしょうか?

技術職の次に選ぶ職種とは?

技術職を辞めたいと思った人が、次に何をやりたいと思うのか?対極になるものなのか?割と近しいものなのか??

デザイナーになりたい??

技術職を辞めて、デザイナーになりたいと言っていた方がいました。その方にとっては、『設計者はデザイナーの言いなり』と感じたそうで、デザイナーになれば、設計よりも先に色々と決められるという事のようです。第三者目線で見て、設計職とデザイナー職は、一見似ているようで全然違う職種だと思います。例えば、必要になる理論や知識、能力においても、似ているようでかなり違います。それでも、デザイナーになりたいというこの方は、かなりの想いと、デザイナーとしての自信があったのでしょう。実際に、デザイナーとして転職するには、最低限『ポートフォリオ』と呼ばれる資料が必要になります。もし、『ポートフォリオって何??』という方がいっらっしゃったら、その方はデザイナーへの転職は考えない方が良いと思います。

さて、前述の方がデザイナーになれたかどうか気になるところですが。。。適性とは合わなかったようです。

事務職になりたい??

技術者は、キツイ(肉体的、体力的、時間的、等々)という理由からか、事務職をやりたいという方もたまにいらっしゃいます。その場合、まず気になるのが、『事務職の何をしますか?』という話です。私の経験上、経理、総務、営業事務などをイメージされる方が多いようです。ここで、客観的に見た場合に、『技術者が、事務職の方が楽に見えるから、転職したい』と見られそうですね。こんな話、事務職をしている方が聞いたら、『はぁ!?』という感じでしょうね。失礼極まりないです。事務職の方の専門性を全く理解していない、横暴な発言でしかありません。こういう事を言った方には、キツいアドバイスをした事が強い記憶に残っています。

営業職になりたい??

意外と多そうで多くない、そして現実的で無さそうで現実的なのが、実はこのパターンなのです。それはどういうことか?次項でもう少し詳しく解説させて頂きます。

技術職から営業職へ転職したい方々とは!?

技術職を選ぶ方の8割以上は、『営業職をやりたくない』人達だと私は思っています。それは、自分自身の経験からも、周囲の技術者の方々の意見も踏まえても、ここ数年と現状も踏まえて、間違いない感覚だと思います。

技術⇒営業パターン①

そこまで、非常に稀と感じるパターンなのですが、①とご紹介するとすると、『社会人として成長したいから!!』という方が実際にいらっしゃいます。この意見を仰る方のパターンは決まっていて、技術者の中でも『自分の仕事を、閉鎖的な仕事と感じている方々』と言えると思います。つまり、『技術職は外に出ない、人に合わない、コミュニケーシを必要としない』という環境であり、自身がそういう環境に追い込まれていると感じているようですね。

技術⇒営業パターン②

『ウチの営業使えねぇ!!』というパターンの方もいらっしゃいます。要するに、『自分が営業した方が仕事が取れると感じてしまう』と、売り上げに直接的に繋がる仕事を自分でしたいと思うパターンです。

技術⇒営業パターン③

『自分は技術に向いていない!』『他に向いているのは??営業だろう!!』というパターンです。これはリアルに多いパターンでもあります。技術職をしていて、アイディアが出てこないとか、不器用と感じるとか、時間をかけて無駄かもしれない事を繰り返す事にストレスを感じるとか。確かに、このようなパターンは私も色々と見た事があります。

技術者の営業職への適性!?

それでは、前項のような事を感じた技術者に対して、営業を薦めて良いのでしょうか?適性はあるのでしょうか?

喋れる人≠営業に向いている人

現代の営業理論では常識ですが、『べしゃりのイケてる人=営業が得意な人』とはなりません。一昔前は、喋りが得意だと、『営業に向いているね』と言われたものですが、今はそうではありませんよね。喋る能力よりも、聞く能力、もっと言えば、課題を見つけられる能力が必要になります。

技術力が高いと、営業力に繋がるのか??

それでは、本来の技術力が高かった人は、営業が出来るのか!?こればっかりは、一概には言えませんよね・・・

技術力が高くても、営業に繋がらないパターン

実はこのパターン、凄く多いのです。技術力が高いと、営業にも活用出来そうな気がするのですが、なかなか直結しないようです。何故か?それは考え方が一番大きいと感じます。例えば、技術力で自身が満足するようなものづくりに注力している場合です。営業は顧客ありきですから、顧客のニーズに合っていないと意味がありません。技術力に自信がありすぎて自身の考えが正しい、顧客のニーズを理解できない、というのもよく聞くパターンです。

技術力が高くて、営業にも繋がるパターン!!

理想的なパターンですが、意外と少ないパターンです。何が一番違うかというと『営業マインド』ではないかと思います。技術者に必要な事は、良いものを作るという事だと思います。本当に良いものを作れば、それが消費者や顧客のニーズに合っていれば、売れると思います。そしてそれは、営業成績にも結びつくと思います。つまり、『営業マインド』を持って良いものづくりに携われている技術者であれば、営業職になったとしても、良い成果が得られるのではないでしょうか。

本題!技術職から営業職への転職は可能か!??

結論から申し上げると、可能です!しかし、もちろん、誰でも可能という事ではありません。営業職に求められることを理解し、それを達成する為の努力、職務を全うできる人だけが、営業職に転職でき、転職しても活躍出来るのだと思います。そしてもちろん、自身を評価してくれて、企業の求人ニーズとマッチしている必要もあります。ここに関しても『営業マインド』が試されるかもしれません。つまり『自身を売り込む、提案する』という発想です。マッチする企業・求人選びも大事です。

職種を変える時の注意点!!

やった事もない職種、職業を、『簡単』とか、『自分の方が出来る』とか、過信した考えは良いとは言えません。常に謙虚な気持ちで、『理解を深める』事が最重要です。

新しい事を始める時は、『謙虚』で、『新しい事を学ぶ姿勢』が重要になります。それは実際、面接官の視点もそこにあります。

技術職から営業職への転職は可能です!しかし・・・

しっかりと、自身の特徴と経験を理解した上で、どういう営業をしたいかを理解して行動すれば可能と言えます。繰り返しになりますが、これはどんな職種に転職する場合も重要な事です。キャリアチェンジをしたい場合には、今の職種と、次の職種をしっかりと理解した上で、適性を考える事が、最も重要と言えるでしょう。そして、企業のニーズとマッチする企業・求人を見つけてください!!