前回のブログでは、【面接当日編】という事で、面接準備の最終段階から、当日の注意点に関してご紹介しました。その次と言えば、面接の内容に関してとなるのですが、面接に関する記事は過去にも色々と書いてありますので、そちらをご参考頂くこととして、今回は面接が上手くいった場合、つまり【内定】をもらった後のお話をさせて頂きます。

内定をもらった後のお話

希望企業への応募をしてから選考を頑張った先の一つの目標が、企業から内定をもらう事です。しかし、ここにも沢山の注意点がありますので、お気をつけくださいませ。

内定?内々定??

採用の内定というのは、砕いて言えば、『企業からの採用の意志表示』です。これが正式な場合、つまり企業から書面で通知される場合を【内定】と呼んでいます。その前段階の状態を、【内々定】と呼ぶ場合があります。例えば、口頭でのみ内定の意志を伝えられた場合や、何かしらの理由ですぐに【内定】に出来ないがその意志がある場合などです。

内定時の確認の重要性

内定がもらえて嬉しくない人はいないでしょう。中には、嬉しすぎて浮かれてしまう方もいらっしゃいます。しかし、この内容の確認が非常に大事です。何故ならば、内定を承諾し入社するか否かを判断する根拠になるからです。まず、正式な【内定】かどうかを確認してください。書面で提示されているか、条件付き等ではないか。そして、その中身です。現在の世の中の流れとしては、『雇用条件明示』まで含んだ内容を望まれています。これがどういう事かというと、『入社後に、思っていた条件と違う、聞いていた内容と違う』というようなトラブルがあり得るという事です。

ある企業は、内定通知書には、『貴殿を採用する事に決定いたしました』という内容しか書かれていません。確かに、内定を通知する書類ですから、問題はありません。しかし、もし企業から明示される情報がこれだけであった場合、入社するかどうかを判断出来るのでしょうか?もちろん、前述の企業は、内定通知書の他に、採用条件、雇用条件に関する書類を別途用意しています。

絶対にあってはならない事ですが、『内定時に聞いていた給与と違ったんです』という話を聞いたこともあります。企業が間違った情報を伝えたのか、本人の聞き違い・勘違いなのか、どちらかは分かりませんが必ずトラブルになります。『書面で明示』することが大切です。

条件面談とは?

企業によっては、内定後に【条件面談】を設定しています。【条件面談】というのは、『内定条件・人事制度を企業側から説明し、内定者ご本人に理解してもらう』ことを目的にしています。なかなか書面だけでは伝わらないですし、人事制度などは本当に企業によって違います。その辺りのギャップを埋めて、しっかりと判断出来るようになって欲しいというのが企業の目的でしょう。また、【条件面談】が設定されていない企業でも、お願いすれば実施して頂ける場合もあります。

但し、注意が必要なのは、『条件面談後にその場で承諾書にサインを求める』という企業もあるそうですから、訪問前に条件面談の目的は確認しておいた方が良いでしょう。

内定の返事はいつまでにすべきか?

実は、昨今非常に気になっているのが、この内容です。理想的には、『ご本人がしっかりと判断出来た時』に返事をすべきなのですが、現実的には、相手企業は採用活動をしながら(場合によっては採用活動を止めて)待ってくれる訳ですから、期限を設けなければいけません。その為、一般的には内定通知後7~10日位というのが企業の希望としては多いです。ですので、この期限内に回答が出来るように、しっかりと準備すべきだと思います。しかし、幾つかの事例が、このあるべき流れに則していないようです。

引き延ばしたがる応募者

一番の原因は、複数社同時に応募し選考中の方が増えている事です。転職活動において、複数の企業を受ける事は普通の事です。しかし、昨今の傾向として、転職エージェントが内定の確立を上げる為にというアドバイスからか、とにかく多くの求人に応募するように促すことが増えているようです。そこで起こり得るのが、『第一志望の選考結果がまだ出ていない』、『もっと条件の良い企業が出るかもしれない』という理由で、内定に対する回答期日を出来る限り引き延ばそうとする応募者の方が増えているという事です。これは、内定を出してくれた企業に対して大変失礼な行為です。事情があって期限を引き延ばすにしても、1週間迄が常識の範囲内でしょう。ご本人も、応募する事に集中してしまって、内定が出た時のことをしっかりとシミュレーション出来ていなかったのでしょうね。

すぐに結論を出させたがる企業?エージェント?

こちらは前項の真逆で、内定が出たらすぐに結論を迫る場合です。例えば、2社で迷っていて同時進行で選考を受けている場合、両社の結果を待って比較したいのは当然です。しかも、2社とも選考が順調であれば、色々と迷うところも増えるでしょう。そこに対して、『他社へ行かせないように』という目的で即答を求める企業やエージェントが増えているという話を聞きます。先日も、『面接翌日に内定通知書が届き、一両日中に回答しなければ内定を取り消すと言われました』という相談がありました。就活で噂になった『オワハラ』と変わりませんね。企業にとっては大事な採用、内定者にとっては人生そ左右する選択、こんなやり方で良いのでしょうか?

退職表明のタイミングは?

就業中の方で、転職先を決めてからの転職を希望する前提に書きますが、退職表明のタイミングは、『正式内定の後、入社の意志が固まったら』です。たまにあるのが、【内々定】の時点で退職表明する場合です。しかし、後で【内定】にならないという危険が潜んでいますので要注意です。また、退職表明時の対応の仕方には、必ず現職への敬意を払い、『立つ鳥跡を濁さず』を心がけましょう。その上で、転職先企業の事も考慮した退職日を決定しましょう。

まとめ

内定後に困らないように、しっかりと準備と対応の仕方を想定しておくことが大事です。準備というのは、『内定が出たらどうするか、どういう基準で考えるか』というような理論的な準備と、心の準備です。もちろん、『内定もらえるか分からないのに具体的な準備は出来ません』と言う方の気持ちも分かりますが、受けるからには内定をもらうつもりで、ポジティブに考えて準備しましょう。

また、対応の仕方に関しては、企業という相手がありますし、色々なアドバイスや意見を言ってくる方も周りにいます。本来のルールや場合によっては法律、一般的な基準を知っておく事が必要になります。特に、『売り手市場』と言われる昨今の状況では、『他社を出し抜きたい企業』や『人材ビジネスの成果主義が強すぎるエージェント』が増えているという話を聞きますので、転職活動を進める中では、慎重さを大事にした方が良いかと思います。しかし、自分自身がしっかりし、色々な状況・選択肢を判断出来る状態であれば、大丈夫です。

焦って決めてはいけません!しかし、慎重になり過ぎてチャンスを逃すのもいけません!その為にも、常に考えながら、準備しながら、転職活動をしましょう。