今回は現在募集していない企業の情報にも耳を傾けたことで、良い方向へ進んだというお話です。

まずは方向性を考えるところから始める

一般的には求人募集をしている企業の中から応募先を選択して応募し、その中で良いと思った企業へ入社するという流れがほとんどかと思います。

離職中の方であれば、早く就職先を決めなければならないなど、緊急性が高く、そのほうが良い場合が多いですが、現在就業中で転職を検討しているという状況であれば、まずはご自身の現在の状況を転職エージェントと共にしっかりと分析をして、方向性を考えるところから進めたほうが良いと思います。

候補企業は現在求人募集していない企業も含める

方向性が固まってきたら、次に候補先を絞って企業情報を提供し、1社ずつ説明していきますが、現在求人募集がない企業でも、ご自身の方向性に合致している企業であれば、企業情報はお伝えするようにしています。と言っても、何ヵ月も募集していない企業等、何でもかんでも情報提供するという訳ではなく、募集が止まっている理由が明確で、再開の可能性がある企業等に絞ってのお話です。

求人募集していない企業に転職が決まった成功事例

30代後半の電気制御設計技術者Aさんの転職支援をさせていただいた時のお話をさせていただきます。

当時、大手企業で電気制御設計技術者として、一線で活躍していた技術者です。しかし、会社の方針や業績、社内の雰囲気の悪化、退職者続出等の状況から将来不安を感じ、転職を考え始めていました。

とは言え、すぐにでも入れる企業に転職したいという安易な考え方ではなく、良い企業があれば、転職しようと思うが、ピンと来なければ転職はしないという考えでした。

Aさんは既に3社ほど受けていたようですが、企業情報が求人票とホームページのみだったこともあり、情報不足で実はピンと来ていなかったようです。その後、弊社に相談に来ていただきました。

しっかりと話を伺った上で、スキル、経験、希望等、総合的に考え、合致すると思われる企業情報を数社に絞って説明しました。

しかし、何となくピンと来ない状況だった為、「現在は訳あって募集が止まっているが、ポジションが作り出せるタイミングもあるかもしれない。」という前提で、私の中でAさんに一番マッチしていると思っていたZ社の企業説明をしました。すると非常に興味を持った様子で、募集再開のタイミングを待ちたいという話になりました。

その後、タイミングを見てZ社へ状況のヒアリングに行ったところ、急遽社長指示でメカ設計が必要になったとの事。電気制御設計者は充足してしまって、募集していないという状況は変わらない様子でしたが、メカ設計の話と併せて、電気制御のAさんの話をしたところ、同じ業界経験をしていることもあり、非常に興味を持っていただけ、「本来募集しているのはメカ設計だが、これは会っておかなければならない。」ということになり、面接、内定とトントンとスムーズに進み、入社が決定しました。

待ちの転職ではなく攻めの提案型人材紹介で魅力ある転職を!

今回の事例は、タイミングが良かったということもありますが、スキル、経験のマッチング、本人の希望している複数のポイントと職場環境のマッチング、企業の求める技術者像とマッチしていること等、複数の要素を考えた企業選定で、募集していない企業も選択肢に入れたことが成功のポイントです。

現在募集している企業のみが選択肢ではありません。

募集している、募集していないに関わらず、「ご自身の求める環境や働き方、待遇等を実現できる先はどこなのか。」という視点で転職活動を進めていくことが大切だと思います。

成功ポイントまとめ

  1. まずは自分の方向性を明確化する

    応募企業探しの前に自分が進みたい方向性を明確にすることが重要。

  2. 募集していない企業も選択肢に入れる

    求人募集があるかないかは別にして、自分が進みたい方向性や軸に合致する企業を探す。

  3. 攻めの提案型人材紹介

    顕在化された求人に応募するだけの「待ちの転職活動」ではなく、潜在求人に対する「攻めの提案型転職活動」を行う。