自動車部品の製造装置を受託製造するメーカーに従事され、同様の経験がプラスとなる企業の中途採用にチャレンジしていましたがなかなか書類選考が通らず、面接のチャンスがあっても一次面接で不採用が続いている方が相談にいらっしゃいました。

作成された職務経歴書を拝見すると、情報不足な箇所はありましたが同業種の企業の方であれば、ある程度のイメージをもっていただけるような内容でしたし、会って話を聞いてみよう、と思わるのではないかと思いました。

ですので、なぜ書類選考が通過しないのか私たちも少々疑問でしたが考えられる箇所があるとすれば、履歴書における学歴欄でした。その方は学校を中退していたのですが、中退したこと自体が不採用の理由ではなく、「なぜ中退したのか」がポイントだったようです。

会社同様に、学校も入ってみなければわからないこともあります。やむを得ず、別の道に進むために中退する人も当然います。大事なのはその経験を踏まえ、その後どのような道を進んで現在に至ったのかです。

そこまで説明できてはじめて「中退理由」になるのだと思います。面接の場などでしっかり説明できる機会を得ることができれば良いですが書類選考で判断され、説明のチャンスもないのは残念なことです。私たちのご支援で応募される際にはしっかりお伝えし、そのうえで選考いただけるようにしています。ご自身で応募される場合は、可能なかぎり履歴書に追記しておいても良いかもしれません。

そしてこの方にはもうひとつポイントがありました。経験をいかして同業界で転職するなら、なぜ今の会社で続けないのか、です。

少数精鋭の企業であったため、1人ひとりの担当する範囲が限定されない働き方でした。納期が迫れば、総動員で業務にあたるチームワークは魅力的ではありましたが、「1人でやりきった」と自負できるものを得たいという気持ちが徐々に強まっていたのです。今の会社では組織的に特定業務の専任として活躍するのは難しいため、転職を決意しました。

これまでの面接では、企業側が質問すること(「〇〇の経験はありますか?」など)に回答するのみで、ご自身の考えをうまく説明することができず、企業側に納得感のある内容ではなかったようでした。そのため、「退職理由が明確でない」や「スキル不足(あるいはやる気が感じられない」という判定になってしまったようです。

私たちとの面談では、しっかりとお考えをお聞きたうえで一緒に考えをまとめ、それを面接で説明できるように事前対策を繰り返し実施しました。結果、思いを伝えることができ見事内定をいただくことができました。