前回の、家族を優先した働き方の為の転職(場所について)【出張編】に続いて、今回は同じ場所に関しての問題、【転勤編】をお送りします。

転勤について考えてみる

働いている場所が変わる事を、皆さんはどう感じますか?私の友人には、『転勤で色々な地域へ行きたい』という事で、転勤の多い職種を選び、移動する事を楽しんでいる人もいます。しかし、転職相談を受けていて感じる事は、どうやら転勤をあまり嬉しい事と感じない方が多いようです。

なぜ、転勤したくないのか?

では、転職相談に来る方達が、転勤したくない理由を考えてみましょう。

家族の反対

圧倒的に多いのが、この理由です。特に多いのが、結婚直前直後の方、子供が小さい方、ご両親が高齢であったりご病気がある方です。そして、そこに追い打ちをかけるのが、【持ち家】問題です。借家であれば、家族で引越せば大丈夫な場合もあります。もちろん、家族の仕事も関係します。しかし、【持ち家】となると、売却か貸すかしないと家族で移動する事は出来ず、単身赴任をするしかない、という事になっていきます。それで、転勤を断る事が出来ない場合、転職を考えるという訳です。

生活拠点を移したくない

その他には、慣れ親しんだ場所から移りたくない、友人や趣味のコミュニティ等がある土地から離れたくない、不慣れな土地で仕事をしたくない、というような方もいらっしゃいます。引越すという事は、生活基盤も変わります。仕事だけでなく、人間関係や趣味の関係、普段行く医療機関やお店なども変わります。また新しい土地でそれらをやり直すと考えると、億劫になるかもしれませんね。

金銭的な問題

普通、転勤は業務命令ですので、会社側がそれにかかる金銭的な部分を負担してくれます。しかし、それは会社それぞれの制度によるものであり、完全にカバー出来ない場合もありますし、行き先による生活費の変化や、個人的な都合で色々と出費が増えてしまう場合もあります。

転勤したくない場合に、どうすれば良いのか?

したくない転勤を会社から命じられた場合、どうすれば良いのでしょうか?

まず相談してみる

転勤は業務命令と言いますが、それも状況によります。企業にも、制度があり、転勤をさせる理由があります。そして、個人にも、転勤をしたくない、出来ない理由があります。真剣に、転職出来ない理由を伝えて、転勤をするのであれば転職しなくてはいけなくなると、正直に伝えてみるのも大事な事です。但し、一つ気を付けなければいけないのが、今だに転勤を断って会社に残った場合に不利な立場になる場合があるらしく、この場合においては、注意が必要ですね。

転職を考える

始めに言っておきますが、転勤が嫌だから転職だ!という考え方はやめてください。しかし、転勤に関わる様々な事を考えて、会社に残る方法も考え尽くして、それでも転職がベストな選択だと結論した場合は、最善な転職を考えるのも一つの選択肢です。もちろん、この場合は真剣に転職に関して考えて進めて行かなければいけません。よくあるパターンが、『家の近くであればどこでも良い』という危険な考え方です。

転職をする場合に大事な事

ここまでの流れで、転勤を命じられて、それを断り、転職する事がベストと結論付けた場合を前提に考えます。

転職先の選び方

せっかく転職したのに、失敗した、とならないように考えましょう。

転勤がないこと!

当たり前と思われるでしょうが、これがそうでも無いのです。転勤が嫌で辞めるのに、また転勤になりそうで転職を繰り返す人がいます。運が悪い場合もありますが、大体が企業規模に拘っている場合です。単純な話で、大きな会社、拠点が多い会社は、転勤の可能性がありますね。逆に、拠点が1つの会社は、転勤の可能性は現状ありません。海外拠点があれば、海外転勤もあるかもしれません。中には、『開発職は転勤は基本的にありませんよ』という会社があります。これは本当なのでしょうか?私の見てきた限りでは、可能性が低くても、転勤があるかもしれないと考えた方が良いでしょう。

将来設計を考えること!

例えば、現状は転勤は出来ないけれど、5年後は転勤しても構わない、という状況の方もいますね。この場合は、転勤の可能性があっても、それ以外のポイントで転職先を選んだ方が良いでしょう。このように、目先の事だけで決めないというのは大事な事です。

キャリア全体を考える事!

技術者のキャリアは、特に経験による大きな差異が生じます。本来辞めるつもりでなかった方が、転勤を理由に辞める訳ですから、それまでのキャリアヴィジョンが大きく崩れる可能性があります。そこを修正して、将来のキャリアヴィジョンやその為に必要な経験・スキル等をしっかりと考えてください。そうしないと、転職する事で一気に状況が悪くなる可能性があります。

まとめ

転勤は会社にとって必要な選択肢であり、企業人としての成長も大きくあります。ですので決して悪いことではありませんし、会社で出世する人は転勤を沢山している人という定説がある世界もあります。しかし、ここまでに検証してきた通り、転勤辞令をきっかけに転職を考え、その転職が必要な方々がいます。これからの時代、ワークライフバランス、ワークファミリーバランスを考えれば、この考え方はより一層尊重されていくでしょう。しかし、キャリアあってのファミリーでもあります。しっかりと、キャリア全体、将来設計まで考えて行きましょう。