キャリア相談や、転職相談を受けていると、色々な特徴や個性を持った方々と出会います。その中でも、共通する事が多い内容を、ご紹介させて頂きます。

優柔不断な技術者達

技術者と言うと、理系、専門職、職人、という風に、白黒はっきりとした、理論的な領域にいるイメージが強いのではないでしょうか。しかし、意外とそうでない方も多いような気がします。私の経験上・・・。

何をしたいのか?

ご相談にいらっしゃる技術者の方は、8割がたやりたい事がハッキリしています。そのやりたい事の為の転職というのが殆どです。しかし、残りの2割位の方は、やりたい事がハッキリしていません。そこは、我々のキャリアコンサルティングの出番なので、じっくりとお付き合い致します。時間がかかる方もいますが、大体の方は方向性がハッキリしてきます。しかし、動き出すと、再びブレてしまう方もいます。決められない、優柔不断となってしまうのです。この理由は色々あり、沢山の求人情報を見て目移りしてしまう、経験の無い事へのチャレンジに腰が引けてしまう、急に違う事をやってみたくなる、考え過ぎて分からなくなる、等々です。

どういう会社がいいのか?

会社を選ぶポイントも沢山あり、人それぞれです。特定の会社でどうしても働きたいという方もいます。大企業で働きたいという方もいます。中小企業の方が良い、ベンチャー企業が良い、外資系企業が良い、という風に企業規模や企業スタイルを重視する人もいます。また、福利厚生、人事制度、職場環境、就業場所など、会社を見る目線も様々です。もちろん、理想通りという訳にはいきませんが、希望に近い企業を選ぶべきでしょう。

何の為の転職なのか!?

これが最も重要な内容です。何の為に転職をするのか。在職中の方であれば、転職をせずに現職で働き続けるという選択肢があります。わざわざ転職する目的が必ずあります。それをしっかり見据えて転職活動を行わなければ、転職だけでなく、キャリア・人生がブレてしまいます。しかし、結構これがブレてしまう方がいらっしゃいます。転職後に、『転職せずに前の会社に残れば良かった』と後悔しない為にも、しっかりと転職の目的を見失わないように転職活動を進めてください。

優柔不断な事例

では実際に、優柔不断になってしまった技術者の方の事例を、パターンに分けてご紹介します。

選択肢が増えて迷ってしまうパターン

これは転職活動が上手くいっている人に見受けられます。同時進行で選考が上手く進み、選択肢が増えて、あっちもこっちもよく見えてしまったり、下手するともっと良い会社や求人が他にあるのではないか?と考えだして、終わりなき転職活動の旅へ旅立ってしまわれる方さえいます。この原因は、『転職の目的』が絶対的な基準ではなく、相対的な基準になってしまったのではないかと思います。なので、他の情報が出てくると相対的に比較し、『転職の目的』もブレてしまい、迷ってしまうのです。しかし、その殆どが目先の条件であったりしますので、そういう時は、初心に戻り、『転職の目的』をしっかりと再認識してください。

腰が引けてしまうパターン

チャレンジするような転職活動、例えば未経験職種へのチャレンジや、異業界へのチャレンジを目的としている方に多いパターンです。転職活動自体が難しいという事もありますが、やっとチャレンジ出来る条件の企業で選考が進んだとしても、その選考の途中や、いざ決断の段階になった時に、『本当にチャレンジ出来るだろうか』、『やっていけるだろうか』、『かなり勉強しないといけないし、大変そうだ』などの感情から、『チャレンジを止めて今までの仕事に近い方で・・・』となる方もいます。こういう方を見て思う事は幾つかありますが、『勿体ない』という気持ちもありますし、『決める前に気付いて良かった』と思う事もありますし、『それだったら転職しない方が良いですよ』とお伝えする場合もあります。

転職活動が楽しくなってしまった!?パターン

転職活動の目標は、転職を成功させる事、つまり希望の会社で内定をもらう事というのが、分かりやすい目標です。しかし、不思議な事に、目標を見失ってしまう方もいらっしゃいます。例えば、面接で企業訪問が楽しくなってしまい、永遠に訪問を続けようとする方。内定をもらっても結局入社せずに、しかし転職活動を続ける方。数社同時進行で進んでも、甲乙つけられない方。こういう方々は、一言で言えば、『キリがない』状況に陥っています。内定貰っても行きたいと思わないならば、今の会社に居た方が良いのでは?と思う時もありますし、ちゃんと考えて受けてないのでは?と思う事もあります。

まとめ

優柔不断になってしまう技術者の事例を幾つか見てもらいました。共通するのは何か?それは本人の中で絶対的な基準が無い事、そして企業へ応募して選考を受ける段階で覚悟が決まっていない事でしょう。企業は、選考の中で、【決断力】も見ている事をご存知でしょうか?『優柔不断』が過ぎると、結局選考も決断も上手くいきませんので、深く考えずに数を受けるのは控えて、しっかりと深く考えて活動するようにしましょう。