技術者の初めての転職に関して、前々回のブログ前回のブログ、と続けて、いよいよ初めての転職活動が開始するところまで話がきました。何から手を付けて、どういう順序で進めていくのか、幾つかの事例を見ながら参考にして頂ければと思います。

非常に重要なキャリアの棚卸作業

転職活動をすると決めた次にして欲しいのが、【キャリアの棚卸】です。

既に、キャリアカウンセリングやキャリコンサルティングを受けている方の場合は、この時点である程度の【キャリアの棚卸】が出来ているかもしれませんが、出来ていない方はしっかりとしておくことをオススメします。

【キャリアの棚卸】と聞くと、非常に大袈裟に捉える方もいらっしゃいますが、要するに『キャリに関する振返り』をしながら纏めていく事です。

ここでよく出る質問が、『いつから振り返るのか?』です。

実際には、遡られれば遡られるだけ良いのですが、ものづくり技術者の方へ説明する場合、現実的には『ものづくりに興味を持ち始めたところから』と伝えるようにしています。

ものづくりに興味を持ち始めたのは・・・

では、一般的にどういうきっかけでものづくりに興味を持ち始める方が多いのかと言うと、

『幼少期に家にあった機械をいじったり、ばらしたのがきっかけで』とか、

『親に買ってもらったプラモデルを作ったのが最初』とか、

『学校の授業でラジオを作った時に楽しくて』とか、

『大学受験で機械工学科を選んでから徐々に』とか、

『実は就職してからなんです』とか、

本当に人それぞれです。

ルーツに本質が表れる!?

こういう説明をしていると、もしかしたら、『ものづくりに興味を持ち始めた時から』振返る事に関して、『キャリアって働き始めてからでしょ?』と思う方もいるかもしれません。

しかし、【キャリア≒人生】と言えるくらいに密接な繋がりがありますし、ルーツにその人の考え方や性格、適性などの『本質的』な要素が表れる場合が多く、面接でもこういった質問をする企業が少なくありません。

ものづくりにどういう形で興味を持ち、その後どういう行動(学校での勉強、趣味でのものづくり、仕事の選択など)を経て現在に繋がるのか、と言うのが非常に重要です。

職務経歴書をつくるのも【キャリアの棚卸】です!

ルーツまで遡り、キャリアを振り返って棚卸をして、職務経歴書という形で書面に表す、というのが、1つの【キャリアの棚卸】成果物と言えるかもしれません。

企業への応募を進める場合には、経験者の場合は当然職務経歴書が必要になります。書類選考から始める企業が一般的ですので、いかにその内容が重要かが分かります。

しっかりと【キャリアの棚卸】が出来ている職務経歴書は、その人がどういう経緯で、どのように技術を身に着けてきたか、何が得意か、何をやりたいか、という内容が表現されていて、選考者が見て分かる内容になっているはずです。

正確に、経験・技術力・希望などを伝える事が重要です。

因みに、職務経歴書の作成に関しては、こちらをご参考にしてください。

履歴書もしっかりと作成してください!!

職務経歴書と一緒に提出が必要になるのが、履歴書です。

『履歴書は履歴を書くだけだから気にしなくて大丈夫でしょう』という方がいます。

しかし、気を抜く事なかれ。注意ポイントがここにもあるのです。

内容は正確に!!

当たり前すぎる当たり前の話。ですが、意外と間違いがあります。

よくあるのが、年数に関する間違い。学校の入学や卒業年数は、かなり昔の話になって間違えたり、単純に計算間違いしたり、浪人や留年を入れていなかったり。後で気づいて訂正する場合もありますが、厳密には『経歴詐称』にもなる内容ですし、それを理由に選考見送りになっても文句が言えない理由です。

後は、最初に作成してから時が経ち、年齢が増えているのに更新していない場合。もちろん『年齢詐称』になりかねません。

その他にも、住所に関して、郵便番号が間違っている、引っ越し前の住所のままだった。電話番号も数字を連打したのか桁数が合わないとか。

全て、今まで実際にあった内容ばかりなのです。

自己PRも重要!!

履歴書にも自己PRや希望、志望動機などを書く欄があります。その内容も、もちろん選考に含まれています。実際に、選考する方の中には、『履歴書の文章を重要視する』という方もいらっしゃるほどです。

そして、志望動機や自己PRが、きちんと『提出先企業向け』になっているかどうかを確認してください。以前、『前に受けた企業向け』の内容のままで、一目瞭然で違う企業へ向けての内容と分かってしまった事で、企業の人事の方を怒らせてしまった方がいらっしゃいました。これは同時に、『仕事で資料を作成する時にも同じだろう』と思われてしまう事です。

履歴書の作成方法に関しても、こちらをご参考にしてください。

まとめ

さて、今回は、【キャリアの棚卸】から、履歴書・職務経歴書の作成まで、技術者の初めての転職活動が進みました。次回は、更に次のステップへ進みたいと思います。