転職活動をきっかけにして、いまの会社で続けていくことを決めたGさんのお話です。

弊社にご相談にいらした当初は「とにかく早く辞めたい。どこでもいいから企業を紹介してほしい。」というムードを全身に漂わせていました。20代後半、新卒で入社し数年経過していますが、いまの会社(仕事)に対して魅力を感じたこともなく、「上司の評価も低いので昇給も昇格も絶望的。そもそもやりたい仕事ではない。」と言うことでした。

とは言え、闇雲に応募するのはよろしくありません。少しずつ考えを整理しながら、目指すところを絞っていくことにしました。

そんななか、弊社に相談に来る前にご自分でエントリーした企業から面接依頼が入りました。Gさんの現職での経験がいかせるポジションだそうで、技術部門のマネージャーとの面接でした。「〇〇業務の経験は?」「△△って知ってる?」など専門的な技術経験や知識を問われたのですが、Gさんはそこまで深い経験も知識も持ち合わせていませんでした。「やること、覚えること、まだたくさんありますね。」とマネージャーに言われ、Gさんはハッとしたそうです。

「いまの会社でできる仕事はどうせこの程度のもの。と思っていましたし、この仕事を全てわかっていた気になっていました。ところが面接で質問されたことがわからず答えられなかった。本当はもっと奥深いものなんだと気付かされました。」

学生時代の成績もトップクラス、趣味の世界でも知名度が高かったGさんは、「まさに井の中の蛙と言うのでしょうか。」と、持ち前の向上心がスイッチON!いまの仕事でトップを極めるべく、転職活動は休止しました。

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先日ラジオ番組に出演したミュージシャンが自身で作った曲について話していたことが、今回のお話に共通している部分があるなと感じました。以下、話の抜粋です。

「好きなことで仕事をしたりとか出来なくなってきてる時代だと思わない。就職することが精いっぱいみたいな。好きなもの見つけられなかった人のせいにしたくないし、自分が追い求める夢って何歳になっても見つけられるから、その夢をどんな会社に入っても探してほしいなと。そのためにはいま与えられた場所を一所懸命に頑張ってほしいな、っていうメッセージがあるんですよ。」