「適性職種って何だろう?」と思い悩んでいる方もいると思います。

いまの職業がほんとうに自分に向いているのかわからないけれど、ほかに何が出来るのかもよく分からない・・・と思いながら転職活動をしていた方がご相談にいらした話です。

開発設計職としてキャリアをスタートさせたのですが、設計業務を行う日々のなかで「設計したモノが作られていくのを見ることで、より良い設計に反映させることができるかもしれない。」と思い、製造部門へ異動を願い出ました。

もともと、家電などの内部構造を見たり簡単な機器を組みつけたりすることが好きだったので、製造部門での業務も興味をもって取り組むことができました。故障箇所の修理も担当業務でした。図面で見ただけではわからなかった、「作る側の思い」も理解できるようになりました。

すると今度は「ユーザーが使いやすいモノを作っているのか?」という思いがわき、ユーザーの声を聞き製品へ反映させることができる品質評価の部署へ異動しました。法に則った安全対策はもちろんのこと、使い勝手や表面加工など課題解決の一端を担っていると実感できました。

様々な部署を経てモノづくりへ知見を深めていくうちに、医療系の業界への転職を強く意識するようになりました。ですが、「医療業界で何をするか」を決められずにいたのです。

設計→製造→品証と、どれもやりがいを感じることができましたが一方で「ずっと続けたいと思えるのはコレ!」とはっきり言える職種がなく迷っていました。思い悩むなかで、「顧客の意見を直接聞きながら製品づくりに関わることができる」と思い、技術営業職を目指すことにしましたが、本当にそれで良いのかという気持ちが残っている様子でした。

ちょうど技術営業職の一次面接を終えたタイミングで面談を実施しました。これまでの経験と思いを振り返りながら、今後の可能性や技術者がどのようなキャリアを積んでいるかなど実例をまじえてアドバイスさせていただきながら、情報を整理していきました。

直前に受けた一次面接での内容を思い返しながら話していると、

「面接では、技術営業職としてキャリアアップしていきたいという思いをしっかり伝えるつもりで準備して行ったつもりでした。でも、やりたい事とはちょっと違うのかなと感じながら話していました。」

さらに話を進めていくと、ふと何かに気付いたような感じで「製品を世に送り出す前段階のところで、しっかりチェックする事で貢献したいのだと思います。」という思いを話し始めました。いまは品質保証職に絞り込んで活動されています。目指すところが明確になったので、迷うことなく進んでいらっしゃいます。

じっくり話すこと、考えを共有することの大切さをあらためて感じる出来事でした。