「今の会社、なんか疲れたなー」と感じたとき、「転職したいなー」って思っちゃいますよね。いざ転職活動を始めてみると、転職の動機がしっかり深掘りできてない、という方は結構多いのです。

いまの働き方に疲れた・・・と思い始めた方の転職

受託開発の会社で設計技術職として就業されている方がご相談に来られました。客先の求める要件を満たす製品を開発し、現地での据え付けや立ち上げに対応することもあります。

客先の方が技術的にあまり精通されてない場合には、仕様の段階でムチャな注文をつけられることもよくある話だそうです。そんなときは前後の工程に配慮しながら妥協点を見出し、なるべくわかりやすい言葉を選び、かみ砕くような説明をしたり、できる限り客先の意見を汲んだかたちで具現化してきました。

しかし、そんな働き方は言われたことをやっているだけのように感じてしまい、「疲れたな・・・」と思うようになってきました。

自社製品開発の仕事はストレスがなさそうに見える!?

客先の言われることを言われるままに設計する仕事に疲れを感じ、このストレスが解消される働き方を模索し行きついた答えが「自社製品の開発職」でした。

「製品の性能や品質について社内で検討し、自身の考えが製品に反映できることは仕事のやりがいにつながる。いま抱えている疲弊感もなくなるだろう。」と考えたのです。

これまでご自身が経験されてきた技術や製品に親和性のある企業であれば、選考もスムーズに進むかもしれません。良いことだらけの転職のように思えます。ですが、これで本当にストレスのない働き方が実現できるのでしょうか。

会社が変われば文化も変わる、常識が変わることも。

いまの会社と同じ要領で仕事が進むイメージはそのままで、「変わるのは製品」くらいに考えていませんか?会社が変われば、これまで当たり前のように捉えていたことが通じない場面は多々あるものです。

企業によって担当の範疇は異なるもの

開発の部署が関わるフェーズ、設計が担当する業務などは企業によって違います。部品の見積もりなども担当していた設計技術者の方が、転職先でも当然のように同じことをしたら「業者の選定は購買部署を通して」と注意されたという話もあります(逆に、転職先には購買部署がなく自分でやらなければならないというパターンも聞きます)。意思決定のスピードなども前職より遅い(早い)こともあります。

社内での関係構築は一層大事になる

「これまでの受託開発業務では相手は客先。いろいろ気遣いも必要だったけど、自社製品なら社内の人たちが相手はだから気が楽だろう。」と考えていると、転職後に苦労するかもしれません。企業規模にもよりますが、社内でのタテとヨコの関係構築はより大事になると考えておいて間違いないでしょう。

仕事を推し進めるという点では、相手が社内でも社外でもさほど変わりないものです。なかには技術的なリテラシーのない役員に対してプレゼンしなければならない事態に直面し、客先に振り回されるのと同様にワキ汗モノで苦労している方もいます。「客先の社長さんの方が断然詳しくて話が早かった。」なんてこともあるのです。

面接でうまく伝えられるように考えをまとめよう

退職の理由はしっかり深堀りできたでしょうか。

隣の芝生は青く見えて「疲れちゃったなー」「他のこともやってみたいなー」程度の考えで面接に臨むとうまく伝えることができず、企業側が「結局、現職の批判をしているだけ。」と捉えられてしまう内容にとどまり、その先に進めることができません。

取り巻く環境が変わることもシミュレーションし「それでも転職したい!活動しよう!」という思いに落とし込めるまで考えてから行動に移しましょう。