転職をいつ始めるか、いつ内定をもらうか、いつ現職を辞めるか、いつ次の会社へ入社するか。考えだしたら色々と迷うでしょうし、正解を考え始めたら決められなくなってしまうかもしれません。ですので、幾つかの考え方を基に、転職のタイミングを考える上での参考にしてみてください。

どういうタイミングで転職しているのか?

まずは、世の中の方がどういうタイミングで転職を考え、活動をし、その結果どの時期に退職、入社しているのかを、事例をあげながら解説していきます。

1月からの転職活動

ちょうど今日は大晦日です。恐らく、『年明けから転職活動をしようかな』という方や、既に1月からの転職活動を想定して準備を始めている方が多いと思います。キリが良いので動きやすかったり、12月の過ごし方から、『転職意欲』が高くなっている人が多いようです。

冬のボーナスをもらった後なので・・・

12月頃の、会社での大きなイベントに、冬のボーナス(賞与)があります。年俸制等で元々ボーナス(賞与) が無い場合以外は、だいたいの会社員の方が、ボーナス(賞与)をもらう対象になるでしょう。そして、殆どの方が、業績により変動する金額ですので、実際にボーナスの額が幾らになるのかはその時になってみない分からないですし、その結果が色々な意味で気持ちも生活も大きく左右する要素です。単純に考えれば、金額が多い方が嬉しいですよね。

ボーナスまでもらって退職

ボーナスは、それまでの会社の業績による利益の配分であり、個人の努力に対する評価でもあります。ですので、退職する予定の方でももらう権利があります。かと言って、さすがにボーナス支給日に退職しているともらえません。ですので、収入の事も考えて、ボーナスをもらってから退職というタイミングが良い、という希望の方は多いです。特に、転職先よりも現職の方が賞与額が高く期待できる場合などはその気持ちが強くなりますよね。

ボーナスにがっかりして転職

会社の業績に左右されるボーナスですから、支給額は多い事もあれば、少ない事もあります。その金額を見てガッカリし、退職を決意した、という方も結構いらっしゃいました。それは、会社への不満、不安、不信感など、単純に金額が少ないからという一言では片づけられない問題でもあります。例えば、会社の業績は良いのに、自身の査定が悪くて、前年よりも金額が減ってしまった場合等は、個人的に納得がいかないという方もいます。また、珍しい例では、会社の業績は良いものの、その利益の使い方が経営者都合で賞与以外に使われた事で賞与額が減り、不満に思った、という方もいました。いずれにしても、賞与額が増えて文句を言う方はさすがにいなかったですね。

ボーナスが無かった・・・

ボーナスの額が多いとか少ないとかいうレベルを超えてしまって、ボーナスが全く無かったという事例もあります。当然、業績が悪すぎてボーナスを出せないという事態はあります。特に、外資企業やベンチャー企業で聞く事例ですが、ある一定の基準なのか、容赦なくボーナスゼロになってしまったとか。この事態にショックが大きいのが、転職してからの期間が短い人のようです。何故ならば、採用時の条件で、前年実績の賞与額を基に想定年収を出され、それに納得して入社しています。その期待を早速下回る事になってしまうので、『裏切られた』、『失敗した』と感じて、次の転職に繋がってしまうようです。

仕事のキリをつけて退職

年末という事もあり、業種にもよりますが、仕事のキリがつくことが多いようです。そこで、仕事の引き継ぎ等も目途がたって転職活動を開始するパターンも多いです。

気持ちを切り替えて

新年を迎えて、気持ちを切り替える意味で、転職を考えて動き出す方も結構いらっしゃいます。特に、年末年始に地元に帰り、学生時代の友人と会って話したことで刺激をもらった、というパターンは多いようですね。また、ゲンを担いでという方もいらっしゃいます。『現職で、昨年までは上手くいっていなかった』というように考えるのも、1つの考え方、感じ方なのかもしれません。

4月入社に合わせた転職

言わずもがな、一般的な年度替わりのタイミングですし、新卒入社のタイミングでもあります。企業側も、転職する個人側も、この時期を希望する例は一番多いと思われます。

年度仕事をしている方々

公共事業に携わる企業や、3月末決算企業に関わる仕事など、3月末までのスケジュールや予算で動いている仕事はかなり多いです。その為、このタイプの業界・業種の方々は、途中で仕事を抜ける訳にはいかない事もあり、3月末退職での転職を目指す方が結構いらっしゃいます。

企業の募集に合わせての転職

中途採用の場合、それほど入社月の指定は無いのですが、第二新卒採用や、ポテンシャル採用等で、しっかりとした研修をする企業や、新卒や中途入社者も足並みを揃えたい等の理由で、入社日を4月1日に合わせている募集もあります。その場合、これに合わせて転職活動をする場合もあります。

1月から転職活動をしたらちょうど

前項のように、1月から転職活動を開始する方は多くいらっしゃいます。その活動の結果、順調に選考が進み、退職日を調整した結果、4月入社になる場合も多くあります。統計的に、転職活動が順調に進んだ場合の基準に3ヵ月位という事がありますので、ちょうど当てはまりますね。

5月をきっかけに転職活動開始

五月病という言葉があるくらい、働く人の心が動く時期のようです。

季節の問題!?

五月病を考える時に、まず考えられるのは、季節的な問題です。春の陽気の良い時期です。陽気が良すぎて仕事をするのが嫌になってしまうのか?科学的な根拠はないと思いますが、四季のある日本では季節の影響を考えてしまいます。

連休でスイッチがオフに!?

年末年始の休みでも、地元に帰って友人の影響を受けて・・・という内容がありましたが、5月のGWの場合も同様に連休による影響がかなりあると思います。更に、5月の場合は、前項にあるように4月入社の方が多い中で、入社後1ヵ月で、張り詰めていた緊張感が解けて、気が抜けてしまう、というネガティブな要素もあるようです。

6~7月から動き出す転職

季節の変わり目も人の心は色々と動くようです。

梅雨の憂鬱な気候

季節や気候のシリーズになりますが、梅雨の気候は人の心をネガティブにするようです。その為、会社の事、仕事の事をネガティブに考えて、転職したくなる方もいるようです。

夏のボーナス(賞与)

ボーナスは夏にも支給される会社が殆どです。その為、年末の話と同じで、ボーナスをもらってから辞めようと考える方が多いです。また、夏のボーナスの金額や評価によって、転職を考え始める方もいます。

8月からの転職活動

8月には、お盆休みを取る企業が多い為、今までの事例で出てきた連休の場合と同様に、転職を決意する方が多いです。

10月入社に合わせた転職

4月入社から見たちょうど半年後、年度でいう下期の始まりと考えられることから、このタイミングで採用したい企業も、転職したい方も多いようです。

1年を通してまとめてみると

転職をしたいと感じるタイミングは人それぞれですし、1年を通してどの時期でも転職を考える方はいらっしゃいます。しかし、その中でも目立つのが、

  • 連休
  • ボーナス(賞与)
  • 季節

というキーワードのようです。

それでは、いつ転職するのが良いか?

いつ転職をしたくなる人が多いのか、という前項までの内容を踏まえて、『いつ転職するのが良いのか?』という視点にたって考えています。

求人が増える時期はいつですか?

よくある質問です。しかし、この質問に対する答えは、一言では非常に難しいです。

一般論から考える、中途入社者が多い時期

一般論で平均的に考えると、企業から見て、中途入社者が多い時期、そして採用したい時期としては、1月、4月、7月、10月の、いわゆるクオーターが始まる月の初日と言えます。特に、採用人数が多い企業の場合は、ある程度統一した日に入社して欲しいという都合もあります。ですので、これらの4つの月の初日に入社する事を目標に活動してみるのもアリだと思います。

企業の決算時期を考慮する

企業の経営計画の中に、採用計画もあります。人員数や採用予算等も年間計画として決める企業は多いです。その為、転職先として希望する企業の決算月を調べた上で、求人情報の動向を見ているとちょうど良いタイミングに選考を受けられるかもしれません。

転職活動が上手くいくのはいつですか?

求人が沢山あっても、上手くいかなければ仕方ありません。動き出しから転職成功への道を見据えて動くのは大事な事です。

気持ちが前向きに転職へ向いている時

自身の気持ちがしっかりと転職へ向いているかどうかというのは大事です。逆に良くないのが、『周りの影響で』、『嫌になったから』、『薦められたから』等で、自身の気持ちで転職へ動けていない場合、そしてネガティブな思考の時です。

準備が出来たと思えた時

転職活動は、思い立ってから動き出すまでに、色々と準備が必要です。何故辞めるのか、何をやりたいのか、どういう企業へ行きたいのか、将来どうなっていたいのか。全ての答えは出ないかもしれませんが、人生の大事な選択になりますので、しっかりと目先の事から将来の事まで考えた上で、自身の中で『準備が出来た』と思えた時に動き出すと、転職活動の成功率もあがり、あとで後悔する事も少ないようです。

余裕がある時

転職活動には、時間も体力も準備も必要です。例えば、経歴書類を作成し、業界や求人の情報を調べ、応募する企業研究をし、面接の対策・練習、面接の日程調整、・・・、と考えただけでも余裕がなければ出来ないと分かります。実際に、仕事が忙しすぎてタイミングを逃す場合は少なくありません。書類を作りこめなくて書類選考が通らない、企業研究が足りなくて面接が上手くいかない、そもそも休暇が取れなくて面接へ行けない。暇になるまで待つ必要はありませんが、ある程度の余裕は必要です。

まとめ

今回のテーマである『いつ転職するのが良いか?』に対する答えは、一言で答えられない事が分かって頂けたと思います。では、自身にあったタイミングを考える上で大事な要素は、

  • 転職をしたいと思ったタイミング
  • 将来の事も考えて準備が出来たタイミング
  • 1月、4月、7月、10月の入社を目標と考える
  • 転職先の業界や企業による相応しい時期を考える
  • 自身にある程度の余裕がある時期に活動する

もちろん、全ての条件が満たされない事情はあって当然ですので、なるべく条件を揃える意識で考えると良いと思います。もし、自分1人では難しいと感じた場合は、プロのキャリアコンサルタントに相談してみましょう。きっと、貴方にあったアドバイスをしてくれるはずです。

転職を考えている方も、そうでない方も、2019年が良いキャリアへの足掛かりになりますように。