どのようなことでも当たり前のことですが、効率化が進んだり、便利になったりということで、進化していく訳ですが、転職もかなり簡単になりましたね。

「便利、簡単」が「テキトー」になっていませんか

私が初めて転職活動をしたのが、2001年くらいだったと思います。当時は履歴書は手書きで職務経歴書はパソコンで作り、プリントアウトしたものに署名部分だけ手書きというパターンでした。

そして、カバーレター(送付状、添え状)を付けて、封筒に入れて送るという作業は、正直非常に大変でした。履歴書は最後の最後で書き間違えたりすると、修正液対応はNGですので、一からやり直しとなりますし、封筒の宛名もきれいに書くように神経を使います。

それに比べ、今や履歴書、職務経歴書はワードやエクセルで作成することが主流になった為、一度作ってしまえば、何度も使えますし、書き換えたいときは簡単に出来ます。そして応募はインターネットで出来てしまうので、カバーレターや封筒を用意する必要がありません。

それだけでなく、転職サイトのフォーマットに入力しておけば、あとはエージェントがその内容を元に企業への紹介(書類選考)まで進めてくれてしまうということもあります。

今は履歴書手書きでないとダメという企業はほとんどありませんし、AIがマッチングをしたり、選考をしたりするというサービスも出てきています。

今後もどんどん便利になっていくと思いますが、ここで気を付けたいのが、転職活動そのものが「簡単、便利」→「テキトー」にならないようにすることです。

気軽に出来てしまうと、気づかない内に「テキトー」になってしまうものです。

転職というのは、人間の一生の中にある大きなライフイベント(受験、入学、卒業、結婚、住宅購入、引っ越し等)の一つです。ちょっとしたショッピングと同じように捉えてはいけないと思います。

転職の目的を忘れていませんか

例えば、履歴書、職務経歴書といった正式な応募書類も作らずに簡単な登録内容だけで、転職エージェントに丸投げで、応募を任せていたり、転職エージェントが提示してきた求人企業に片っ端から応募してもらったりして、自分が受けた企業名も何社受けたかも分からないといったことがあります。

また、応募した企業のことを良く知らないまま、面接に行ってしまったという話もあります。

一番良くあるのが、内定を取ることが目的となってしまっていて、本来一番重要な「そもそも何故転職をしようとしているのか」、「転職をして何を改善したいのか/何を実現したいのか」といったことを忘れてしまい、なんとなく良さそうだからという企業へ全て応募してしまうというパターンです。どんどん受けて書類選考で落とされてしまうと、本当に受けたい企業となったとき、受けられなくなってしまう場合もありますので、数打ちゃ当たる作戦は絶対にやめたほうが良いです。

簡単・便利になることは、良いことではあるのですが、本質的な部分を忘れてしまうと、とんでもない結果を招きかねません。

「テキトー」な転職活動にならないためにおさえておきたいポイント

以下のことをしっかりとおさえていれば、あの時ちゃんとやっておけば良かったというようなことにはならないと思いますので、再チェックしてみてください。

  • 自分の経歴を表す唯一の事前資料である、「履歴書」、「職務経歴書」は丁寧かつ正確にしっかりと作成し、自分の業務や業界を理解している転職エージェントに添削をお願いする。
  • 今回、自分は何故転職しようとしているのか、転職先には何を求めているのか、転職先企業で何を実現したいのかを、深く考える(自分で何故何故と深堀していく)時間をしっかりと取る。
  • 上記考えに合致する企業をインターネットや転職エージェントを使って探す。(この時点で既に志望動機は出来上がっているようなもので、面接前に慌てて志望動機を考えるという必要がなくなりますし、気持ちが乗った志望動機となるので、相手にも響きます。)
  • 候補企業が出てきたら、その企業のリアルな情報をその企業に詳しい転職エージェントや友人、知人に聞く。
  • 面接が入ったら、転職エージェントと面接の事前準備を行う。(ここで行うのはテクニック的なことではなく、今までのプロセスと自分の考えの整理をメインに行います。)
  • 内定が出たら、内定通知書、労働条件通知書などに記載の内容で分からない点や気になる点があった場合、転職エージェントに質問してクリアにする。

ここまで行えば、入社するかしないかの決断はすぐに出来ると思いますし、入社後も高いモチベーションを持って仕事が出来ると思います。

簡単、便利という甘い言葉に惑わされないように、自分を見失わず、納得のいく転職活動を行っていただければと思います。