日々、様々な技術者の方が転職相談にいらっしゃいますが、転職先の探し方、選び方について、「本当にこれで良いのか」と不安に感じている方が多いように感じます。
今回は、技術者の転職先企業の探し方、選び方のコツについて、 日々の事例を交えながらお話させていただきます。
確率論で考えない
特に20代の方(大きく括り過ぎかもしれませんが・・・)から、良く聞く話があります。
という感じで、考える余裕がないまま、作業に追われる転職活動となっている方が、結構いらっしゃいます。
また、書類選考通過率についても、転職エージェントを利用する場合は、しっかりと事前にマッチング(スキルだけでなく相性やその他諸々も考慮)してご紹介を進めるので、書類選考通過率という考え方は基本的にしません。転職エージェントを利用するメリットはいくつかありますが、これもその一つです。
しっかりと目的を考えて、ご自身に合った企業で働いていけるようにすることが大切です。
何故転職をしようとしているのか。
転職活動を進めていく上で自分が重要視するポイントは何か。
というようなところから、自分に合った企業が少しずつ見えてきて、おのずと候補企業が絞られてきます。
知人・友人、転職エージェントなどから企業のリアルな話を聞いて自分の感じ方に心を向けてみる
知人・友人の情報
知人・友人が行っている企業の話を聞いてみるのも良いです。辞めようと思っている人の話だと、ネガティブな情報しか出てこないかもしれませんが、転職を考えていない人の話であれば、貴重なリアルな話が聞けるかもしれません。
転職エージェントの保有情報
知人・友人だけだと、情報量に限界を感じることもあるかと思います。そのようなときは、信頼できる転職エージェントからも、企業のリアルな話を聞きだすと良いです。
例えば、日本アルテックの場合、今まで転職相談に来た方の話や、転職支援をして入社した会社のその後の話、自ら実際に企業に訪問して見聞きしてきた情報などなど、様々な立場、視点で見た企業の情報を整理してお伝えしています。
具体的には、下記のような内容です。
- 社長は社員にどのように接しているか
- 直属の上司はどのような方か
- 任される仕事の範囲や働き方
- 社内の雰囲気
- 評価制度
- 賞与はどうだったか
- 残業時間はどうか などなど
転職口コミサイト情報
一昔前は、皆が文句を言っているだけのネガティブサイトでしたが、今はかなり改善され、参考になる情報も得られるようになってきました。
いまや是非活用していただきたいツールの一つです。
OpenWork(オープンワーク)、カイシャの評判、キャリコネ、転職会議といった口コミサイトがあります。
各情報は活用の仕方次第
以上のように、企業情報は様々な方法で得ることが出来ますが、ただ単に情報のインプット量を増やすだけでは、プラスになるどころかマイナスになる可能性が高いです。
目的を明確にした上で情報収集を始めるということと、情報を得たら、その情報に対して自分の感じ方に心を向けてみることが大切です。
そもそも「何の目的で、何を知りたいのか」、そしてその情報を得たことで「どう感じたのか、どうするのか」が大切です。
結局は自分の軸を明確にすること
各企業の採用意欲は相変わらず高い状況が続いています。しかし、そうなってくると転職支援サービスの中には、「転職を煽る」ような内容のものが、一段と増えてくるような気がします。
色々なメッセージがありますが、例えば・・・、
「あなたが合格する可能性の高い人気企業!」
このようなタイトルのメールや記事を目にすることがありますが、私はちょっと違和感を感じてしまいます。
ひねくれた考え方かもしれませんが、「入社出来る企業ならどこでも良いのか」。そして「人気企業と言っても、人によってブラックと感じたり、良い企業と感じたりと、受け取り方、感じ方が違うから、必ずしも自分には当てはまらないのではないだろうか。」と思ってしまいます。
ここでも何を目的に転職をしようとしているのかが大切です。転職することが目的になっていないかチェックが必要です。
学生の時の進学を考えると、3通りあっても良いのかなとも思います
とにかくどこでも良いから大学に行きたい
大卒の資格が欲しいということになるかと思います。私はこのタイプでしたので、合格できる可能性のある大学を受けるというやり方でした。
世間的に良いと言われている大学に行きたい
良い大学に行けば、就職が有利になったり、レベルの高い人達と関わることが出来、成長出来る環境があると考えるからだと思います。
○○をやりたいから◇◇大学に行きたい
このような方は自分の考え方がしっかりしており、世間の流れに流されることなく、ブレない人間だと思います。目的が明確なため、成長が期待できます。
このように考えると、「合格する可能性の高い人気大学」を目指すのもありだと思います。
これを就職/転職に置き換えると
とにかくどこでも良いから就職/転職したい
この場合は、生活の為ということが多いかと思いますので、置かれた状況によっては必要なのかもしれません。
新卒の場合は、まずは社会人としてのキャリアをスタートさせるということが大切です。目の前の仕事を真剣に取り組むことによって本当に自分がやりたいことや、仕事のやりがいが見えてきます。キャリア形成のステップを考えると、学生時代にやりたいことが特にない場合は、ある程度の方向性だけ決めて、とにかく就職するという方法がベストです。
世間的に良いと言われている企業へ行きたい
いわゆるブランド志向になるかと思いますが、これも価値観によってはありだとも思います。何故なら、そのような企業へ行くことでステータスを感じ、モチベーションが上がり、結果的に良い仕事が出来、充実した人生が送れる可能性が高いからです。
○○をやりたいから◇◇株式会社へ行きたい
目的が明確な為、仕事のやりがいを感じることが出来、世間の流れに惑わされることもなく、成長していくことが出来ると思います。技術者はこのような方が多いと感じます。
転職活動がうまくいくかどうかの観点でいくと
やはり3つ目の「○○をやりたいから◇◇株式会社へ行きたい」がスムーズにうまくいくことが多いです。
何故なら、「目的が明確=志望動機が明確」なので企業側も納得できます。そして、面接や応募書類でも応募先企業への熱意がリアルに出るので、当然うまくいきます。
企業選定だけでなく、転職活動を成功させるには、自分の軸、考え方を持って、転職の目的を明確にすることが必要です。
まとめ
合格できる可能性の高い企業へ応募する前に、自分は何をしたいのか、そして何のために転職しようとしているのかをしっかりと考え抜くことで、自分にあった企業に出会うことが出来るようになります。
とは言え、なかなか自分で考えを整理するのは難しいかと思います。私が転職支援する際は、候補求人を沢山お見せする前に、様々な質問をして、ご自身で気付けるようなきっかけを作っていくようなことをしています。
ご一緒に作業していけば、考えが整理出来、自分にあった企業がどのようなところなのかが見えてきます。
合格できる可能性の高い人気企業に飛びつく前に、まずはじっくりとご自身の価値観、考えを整理することをおすすめします。
求人票を見る前に自分の軸を考え、転職の目的を明確にすることがスタート地点。
自分の軸は何なのかを考え、転職の目的を明確にすることから始める
知人、友人、転職エージェント、口コミサイトなどで、リアル情報を収集
候補求人の企業を絞り込んで、応募する企業を決める