電気系技術者/エンジニアの転職支援を行っていると、「資格はあったほうが転職に有利になるのか?」や「転職するには何か資格を取っておいたほうが良いのでしょうか?」という質問を受けることが多いです。

実際のところ、電気系技術者/エンジニアの転職の場合、資格が必須になることはほぼありません。しかし、内容的に勉強しておくと役に立ったり、未経験からのチャレンジという場合にPR出来たりとプラスになることは間違いないです。

では電気系の技術者/エンジニアへの転職を目指す場合、どのような資格を取得しておくとよいのでしょうか。ほんの一部だけですが電気系資格を紹介します。

電気工事士(第一種、第二種)

電気工事の仕事に就きたい場合

企業で技術者/エンジニアとして働いている人の中には、電気工事に携わる仕事に就きたいと思っている人もいるでしょう。電気工事の作業の中には、有資格者でなければできないこともあります。例えば、電気の取り付けや配線などの作業です。そのような作業に携わりたいと思っている人は、電気工事士という資格を取得しておきましょう。電気工事士は第一種と第二種に分かれています。第一種の資格の方がレベルが高く、携わることができる作業も幅広いです。どのような仕事をしたいのかによって必要な資格の種類が異なるので、事前に自分が取得するべき資格を確認しておくことが大切です。

では、電気工事士の資格を持っていると、どのような企業に就職しやすいのでしょうか。主な就職先は、ビル管理会社や建設会社、電力会社などです。有資格者で実務経験がある人の方が採用されやすいですが、未経験でも採用してくれる場合もあります。電気工事士の資格試験には年齢制限はありませんので、何歳からでもチャレンジすることができます。ただ、第一種電気工事士の免状は5年の実務経験がなければ交付されません。試験に合格後、5年の実務経験を積んで申請すれば交付してもらえます。

電気制御(PLC等)設計の職種でも活かせます

産業機械や自社生産設備など、PLCで制御しているような機械の設計技術者を目指す場合、あるいは電気制御設計職を探している場合は、電気工事士の内容が活かせます。また、企業側としても電気工事士の資格の勉強をして、合格しているなら基本的な知識はあるだろうと考えてくれることも少なくなく、転職活動で有利になることもあります。

電気主任技術者(第一種~第三種)

電気主任技術者は、施設や工場などの高圧電気施設の管理・保全を行うことができる国家資格です。事業目的で使用される電気工作物の工事、維持、運用には必ず保安監督を行う電気主任技術者を選任するように定められています。そのため、電気主任技術者の有資格者を多くの企業が求めているのです。

電気主任技術者は、取り扱う電圧によって第一種、第二種、第三種の3種類に分かれています。オフィスビルや商業施設などの一般的な建物は、第三種電気主任技術者の資格があれば対応が可能です。ただ、より高機能な施設・設備に対応するには、第二種や第一種の資格が必要となることがあります。

まずは第三種を取得して、第二種、第一種とレベルアップしていくことがおすすめです。

電気主任技術者の資格を取得した人は、様々な業種の企業への転職が可能となります。ビル管理会社や施設管理会社、メーカーの工場などに就職する有資格者が多いです。また、この資格を取得してから5年以上の実務経験を積むと、個人で企業からの委託を受けて仕事をすることができるようになります。

電気主任技術者の資格を取得するには、(財)電気技術者試験センターが実施する試験に合格することが必要です。試験は筆記試験のみで、1次試験と2次試験に分かれています。第三種電気主任技術者試験の合格率は毎年10パーセント前後で、難易度は高いと言えます。しかし、取得すれば様々なフィールドで活躍することが可能なので、電気業界への転職を考えている人はぜひ資格取得にチャレンジしてみましょう。

電気系資格は転職に役立ちますが・・・

電気系資格は転職活動で役に立ちますが、必ず取得しておいたほうが良いかというとそうではありません。

イメージとして、 実務経験有 & 資格有 ≧ 実務経験有 & 資格無 > 実務経験無 & 資格有 > 実務経験無 & 資格無

という順番で、転職に有利になります。

結局は実務経験がものを言うので、今後、電気系技術者/エンジニアとして、市場価値を上げていきたいのであれば、良い経験が積める環境に行く必要があります。経験者であれば更に難易度の高い職場へ、未経験者であれば、資格をきっかけに勉強して、「未経験でも自分で勉強しています!」と積極的にPRして、とにかく経験をさせてもらえるように、努力することが重要です。